今回は簿記の勘定科目の預り金がなぜ負債なのかについて理由を調べてみました。
簿記を習いたての方は数ある勘定科目の中で資産・負債・収益・費用を見分けるのはけっこう大変ですよね。
こういうものだと覚えても根本的なところを理解していないとすぐに忘れてしまいます。
ですので、今回は預り金がなぜ負債なのか少し深堀して、お話をします!
Contents
簿記の勘定科目【預り金】はなぜなのか理由を解説
まずはじめに簿記での預り金は従業員や他者からお金を預かった時に使う勘定科目でしたよね。
従業員の給与を支払う際に税金や保険料をいったん預かったりする際に使われます。
そもそも預り金の意味がいまいちわからないという方はこちらをはじめにチェックしてみてくださいね。
預り金は負債の勘定科目です。
もっと言うと預り金は流動負債です。
負債の中にも1年以内に支払うものは流動負債、1年を超えるものは固定負債と区別することになっています。
預り金は預かったお金を1年以内に支払うことになりますので、流動負債になるんです。
ではなぜ負債になるのしょうか?
なぜなの?預り金が負債である理由
それでは預り金がなぜ負債であるか理由をお話します。
預り金は他者からお金を預かった時に記帳するものです。
例えば、給与を支給する時の所得税ですよね。
お金を稼いでいる人は誰もがその稼いだ所得に応じて税金を支払わなければいけません。
でも、従業員がその税金を支払っているわけではないんですよね。
従業員ではなく従業員が所属している会社が支払っているわけなんです。
会社が従業員から給与の一部を税金の支払い分としていったん預かり、その預り金を差し引いた額を従業員に支払っているのです。
給与明細をみて総支給と振込支給額が違うのは従業員が払うべき税金や保険料が控除されているからなんですね。
話が脱線してしまいましたが、会社は預かった税金を従業員の代わりに国に納付しています。
ではなぜ預かったお金が負債なのでしょうか?
負債とは将来的にお金を返したり、支払ったりしなければならない債務ですよね。
預り金は会社が所有するお金ではなく、従業員のお金を預かっています。
そして、預かったお金は国に納めなければいけない、義務があります。
ですので、会社は従業員からお金を預かった時点で、国に預かったお金を支払う義務が生じているのです。
だから、預り金は負債なんですね。
他の勘定科目との違いにも注意
預り金が負債だと理解しづらい理由の一つに、他の勘定科目との違いがわかりづらいという意見もいます。
例えば簿記3級で預り金と一緒に覚える立替金。
よく例題で、会社が従業金の代わりに個人負担の生命保険料を立て替えた時の仕訳をする問題が出題されます。
立替金は資産のグループになります。
理由は生命保険料が会社ではなく、従業員個人が負担するものだからです。
従業員が負担しなければならない保険料を立て替えてあげているだけなので、後日その従業員から立て替えてあげた保険料分を返してもらう権利があります。
例題では立て替えてあげたお金を給与から相殺されることが多いですが、立て替えたお金が
資産であることには変わりません。
預り金は負債、立替金は資産という違いも理解しておきましょう。
他の税金との違いにも注目
また、従業員から預かる所得税と他の税金との違いも確認しておきましょう。
会社は自動車税や印紙税、固定資産税などの税金を支払います。
そういった税金と従業員から預かる所得税との違いがわからず、混乱してしまう方もいるようですね。
自動車税や印紙代などのいわゆる租税公課は会社が負担するものです。
会社が負担しなければいけないものですので、費用となります。
ですので、従業員が負担しなければならないお金を預かっている預り金とは性質が異なってくるのです。
名前をみて同じ税と書かれているので違いがわからなくなってしまうかもしれませんが、根本的な意味を考えれば違いを理解できるはずです。
「預り金が負債である理由はなぜ?簿記初心者でも根本を理解すればわかる!」のまとめ

今回は預り金がなぜ負債なのかについての理由をお話ししました。
預り金はお金をいったん預かり、そのお金を相手や第三者に支払う義務があるので負債になります。
他の勘定科目と使い方を違えないように注意をしましょうね。
根本的な意味を理解して考えれば、きっとわかるはずです。