簿記

預り金の意味をわかりやすく解説!簿記初心者向けに処理の方法もお伝えします!

今回は簿記の勘定科目の1つの「預り金」についてお話をします。

お金を預かることなんだなと容易に想像はできますが、どんな時に使うのでしょうか?

簿記をはじめて間もない方にもその意味わかりやすく解説をします。

実際に仕訳処理もしてみましょう!




Contents

【簿記】の勘定科目「預り金」の意味をわかりやすく

それでは解説をしていきます。

預り金とは読んで字のごとくお金を預かった時に使う勘定科目です。

では会社や企業では具体的にどんなときにお金を預かるのでしょうか?

預り金とは何かを解説

預り金を最も多く使うのが、従業員の給与を支給する際です。

日本では働いた分だけ源泉所得税という税金がかかりますよね。

所得税以外にも社会保険料や雇用保険という保険も国に支払わなければいけません。

ただ、こういった税金や保険料は従業員が個人的に払うことはないんです。(個人事業主は個人で払いますが。)

どうなっているかと言うと、会社がいったん従業員の所得税や保険料を預かって期限になったら支払うというわけです。

会社は従業員から税金や保険料を預かった時に、いったん「預り金」という勘定科目で処理をするんです。

その後、期日になったら会社は従業員の代わりに預かったお金を国に支払うという流れになっています。

従業員の給与を預かっているので「預り金」なんです。

日本の企業は必ずこのようにしなければならないんです。

なので会社に所属している従業員は絶対に脱税や払い忘れがないようになっているんですね(笑)。

その他にも預かったお金を後日その人に返金する時にも預り金を使うことがあります。

預り金は簿記を学習する際には、立替金とセットにして習うことがありますよね。

立替金の意味や預り金との違いについては別記事にしてありますので、気になる方はこちらもチェックしてみてくださいね。

>>立替金の意味をわかりやすく説明!!

>>立替金と預り金の違いは?

【簿記】預り金の意味をさらに深堀

預り金は英語では「Deposits received」といいます。

Depositsはデポジットの複数形で「預ける」や「預金」という意味でreceivedは「受け取った」と意味。

何んとなくイメージできますね!

そして預り金は負債のグループになります。

もっと言うと1年以内に処理される流動負債になります。

1年を超える長期のお金を預かった際は流動負債ではなく固定負債となり、科目も長期預り金という別の勘定科目で計上します。

1年以内に処理されるものと1年以上かかるものを区別しないといけないんですね。

預り金がなぜ負債なの?と言う方はこちらを参考にしてみてくださいね。

>>預り金が負債なのはなぜ?理由を解説!

 

預り金を処理する方法は?




これまで預り金とはどういうものかをお伝えしてきました。

今度は一体どのように処理をすればいいのか気になりますよね。

ということで、実際に簡単な給与の仕訳をしてみましょう。

預り金の処理1:金銭を預かった時の仕訳

問題例1)福井社は従業員の石川君に給料500,000円を支払います。

その際に源泉所得税15,000円を差し引いて現金で支払いました。

その際の仕訳は?

給与を支払う際には所得税だけではなく、社会保険料や雇用保険、住民税などを差し引いて支払うわけですが、今回はわかりやすくするために所得税だけにしました。

給料はそのまま満額計上します。

給料は費用科目です。

費用のホームポジションは借方(左)になります。

借方 金額 貸方 金額
給料 500,000    

次に預り金です。

石川君が国に納税する所得税の額は15,000円で、それを会社が預かるわけです。

預り金は負債になりますので、貸方(右側)に記入。

借方 金額 貸方 金額
給料 500,000 預り金 15,000

さらに、預り金を差し引いた額を現金で支給しますので485,000円(500,000円-15,000円)を計上します。

資産である現金が減るので、貸方(右側)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
給料 500,000 預り金 15,000
    現金 485,000

以上で金銭を預かった時の処理は終了です!

預り金の処理2:預かった金銭を支払った時の仕訳

問題例2)福井社は石川君から預かった源泉所得税15,000円を税務署に現金で納税をしました。

その際の処理をしてみましょう。

まず、現金で納税したとありますので、現金を減らす処理をします。

資産を減らす時は貸方(右側)に記入をします。

借方 金額 貸方 金額
    現金 15,000

次に預り金の処理です。

預かった税金は納税したわけですから、納税義務がなくなったことになります。

つまり、預り金と言う負債がなくなりましたので、預り金を消滅させる仕訳を行います。

負債を減らすので借方(左)に預り金を記入します。

借方 金額 貸方 金額
預り金 15,000 現金 15,000

これで預かった金銭を支払った時の仕訳は完成です!

 

「預り金の意味をわかりやすく解説!簿記初心者向けに処理の方法もお伝えします!」のまとめ

預り金は一時的に金銭を預った時に使う勘定科目です。

預かったお金は本人に代わって第三者に支払うか、預かった相手に返金をします。

簿記で預り金科目を使う最も一般的な例は給与の支払いの時です。

会社は従業員の給与から国に支払う税金や保険料などをいったん預かり、従業員の代わりに納税をします。

会社はお金を預かった際に、いったん預り金科目を使って仕訳処理をします。

従業員から預かったお金は後日国に納め、その際に預り金は消滅します。