今回は普通預金の取引で手数料が発生した際の処理の方法についてのお話しです。
普通預金での振り込みや入金の時に手数料がかかる場合、簿記ではどのように処理をすればいいのでしょうか?
簿記初心者向けに処理の仕方を解説していきます。
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【簿記】普通預金取引で手数料が発生したら
複数口座を持つ会社で、資金の移動や売掛金・買掛金などの代金を普通預金に振り込む場合、銀行に支払う手数料がかかります。
ただし、手数料がかかるのは自社負担の場合のみです。
相手負担の場合は手数料はかかりません。
どちらが負担するのか問題をよく読んで把握するようにしましょう。
そして手数料は支払手数料という科目を使って処理をします。
それでは実際に仕訳をしていきましょう!
普通預金の取引で手数料が発生した時の仕訳
例1)資金を移動するために、A銀行の普通預金口座からB銀行の普通預金口座へ800,000円を振り込みました。
銀行に支払う手数料は330円でした。
なお、普通預金科目は銀行名をつけて区別させている。
この時の仕訳をしていきましょう。
自社の銀行間で振り込みをした時の仕訳です。
簿記では勘定科目に銀行名をつけ、区別させることがあります。
今回は普通預金科目を普通預金A銀行と普通預金B銀行に分けます。
まず、A銀行の預金が減った仕訳をしていきましょう。
振込手数料は振り込んだ方のA銀行から引き落とされるので、800,330円(800,000円+330円)を記入します。
資産科目である普通預金が減少したので右側(貸方)に記入していきます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金A銀行 | 800,330 |
次にB銀行に入金された仕訳をしていきましょう。
普通預金が増えたので左側(借方)に記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金B銀行 | 800,000 | 普通預金A銀行 | 800,330 |
最後に支払手数料です。
支払手数料は費用科目ですので、左側(借方)に記入をします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金B銀行 | 800,000 | 普通預金A銀行 | 800,330 |
支払手数料 | 330 |
左右の金額が一致しました。
以上で自社の銀行口座間で振り込みをした時の仕訳は完成です。
例2)徳島社からの売掛金520,000円について、振込手数料550円を差し引いて普通預金口座に振り込まれた。
売掛金の回収の仕訳です。
手数料は自社負担で普通預金口座に振り込まれたようです。
まず、普通預金科目を増加させましょう。
振込手数料は自社負担なので、手数料550円を差し引くと519,450円(520,000円-550円)入金されました。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金 | 519,450 |
手数料550円も記入していきます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金 | 519,450 | ||
支払手数料 | 550 |
代金が振り込まれたことにより、売掛金が減少します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金 | 519,450 | 売掛金 | 520,000 |
支払手数料 | 550 |
以上で徳島社の売掛金が普通預金口座に振り込まれた仕訳は完成です。
例3)買掛金340,000円の支払いをするため、普通預金から振り込みました。
支払手数料は220円で当社負担でした。
普通預金口座から買掛金の支払いをした時の仕訳です。
まず、普通預金科目を減少させます。
金額は買掛金340,220円(340,000円+220円)です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金 | 340,220 |
次に買掛金を支払ったので減少させていきます。
買掛金は負債の科目なので減少させる時は左側(貸方)に記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 340,000 | 普通預金 | 340,220 |
最後に銀行に支払った振込手数料を記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 340,000 | 普通預金 | 340,220 |
支払手数料 | 220 |
これで普通預金口座から買掛金の支払いをした時の仕訳は完成しました!
「【簿記】普通預金の取引で手数料が発生したら?処理方法をやさしく解説!」のまとめ

今回は普通預金の取引で振込手数料がかかるときに簿記ではどのように処理をするのかお話をしました。
手数料が自社負担の場合は銀行に支払う手数料がかかります。
手数料は支払手数料という勘定科目を使って仕訳をしていきましょう。


