簿記

【簿記】仮払金の意味をわかりやすく説明!初心者向けに処理の方法も解説!

今回は簿記で使われる勘定科目「仮払金」についてのお話です。

どういう意味でどういった時に使われるのでしょうか?

仮払金とは何なのか、簿記初心者向けにわかりやすく解説をします。

簡単な仕訳や処理の方法もお伝えします!




Contents

簿記の勘定科目「仮払金」の意味をわかりやすく解説

それでは仮払金についてのお話をしていきます。

字を見てみるとなんとなく想像できますが、お金を仮に払う時に使う勘定科目です。

仮にお金を払うから仮払金。

読み方は「かりばらいきん」です。

ではどんな時に使うのでしょうか?

仮払金とは何かをわかりやすく

よく使われるのが、従業員が出張に行く際ですね。

従業員が出張に行く際には出張費用がかかります。

その時に、旅費にいくらかかるのかはっきりわからないことって多々ありますよね。

そういった場合、仮にだいたいのお金を従業員に渡したりします。

このだいたいのお金を渡した時に使うのが仮払金なんです。

仮払金は内容が確定していないお金を概算で支払った時に使う勘定科目ということになります。

そして使った内容が確定したら、正しい科目に振替をします。

仮払金として計上しておいて、実際に利用した旅費が確定したら、旅費交通費(費用)に振り替えるわけですね。

旅費以外にも出張に行く際の交通費や接待交際費を使う時に一時的に使われる勘定科目です。

仮払金をさらに深堀してみると

仮払金は英語で「suspense payments」と言います。

suspenseを調べてみると未定という意味がありました。

そしてpaymentsは支払いです。

仮払金は貸借対照表の中では資産に入ります。

資産の中でも1年以内に回収される資産を意味する流動資産になります。

従業員にお金を渡して、その従業員が出張から戻ってきたら、旅費として計上するので費用勘定なのではと思ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、旅費(費用)として計上するのはあくまで、出張から戻ってきて精算をした時になります。

それまでは会社の一員である従業員にお金を預けているだけですので、会社のお金になります。

したがってお金を渡した時点では資産になるのです。

こちらでも仮払金がなぜ資産なのか3つの考え方で説明していますのでよかったらチェックしてみてください。

>>仮払金が資産なのはなぜなの?3つの考え方をご紹介!

 

仮払金の処理や仕訳のやり方は?




これまで仮払金とは何なのかを説明してきました。

次に仮払金の処理の方法をお伝えします。

実際に例題をみて仕訳をしてみましょう。

仮払金の処理1:概算額を渡したときの仕訳

例題1)三重商店は出張に行く従業員に概算額62,000円を現金で前渡しした。

この時の仕訳をしてみましょう。

はじめに、従業員に現金65,000円を渡しました。

ですので、資産である現金を減らします。

資産を減らす時は貸方(右側)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
    現金 62,000

次に借方に入れる科目です。

概算額を渡したとありますので、仮払金を渡したことになります。

ですので、借方(左側)は仮払金が入ります。

借方 金額 貸方 金額
仮払金 62,000 現金 62,000

以上で処理は終了です。

私は習いたての頃、問題を見た時に「前渡し」という言葉をみて前払金科目なのではないかと勘違いしたことがあります。

仮払金は支払い目的や金額がはっきりしていないものです。

反対に前払金は何かを購入する際に支払う手付金のようなもので、支払目的や金額がはっきりしています。

昔の私のように勘違いしないようにしてくださいね(笑)。

仮払金の処理2:内容や金額が確定した時の仕訳

例題2)出張に行っていた従業員が戻ってきました。

従業員から旅費として59,000円を支払ったと報告があったので、精算をしました。

また、残金の3,000円は現金で受け取りました。

この時の仕訳をしてみましょう。

まず、旅費として59,000円支払ったとありますので、旅費交通費を計上します。

旅費交通費は費用の科目ですので、借方(左側)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 59,000    

62,000円渡した現金のうち、59,000円を旅費として使いました。

残りの現金3,000円は戻ってきましたので、現金を計上します。

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 59,000    
現金 3,000    

仮払金は使い道がわかったら正しい勘定科目に振り替えます。

仮払金の残高を消さなくてはいけませんので、資産の減少である貸方(右側)に仮払金62,000を記入します。

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 59,000 仮払金 62,000
現金 3,000    

これで仮払金で計上した62,000円を旅費交通費59,000円と現金3,000円に振り替えたことになります。

以上で仕訳は完成です!

さらに具体的にした仕訳例が別記事にありますので、チェックしてみてくださいね。

>>仮払金の仕訳例を一連の流れを交えて解説!

 

「【簿記】仮払金の意味や処理の方法をわかりやすく解説!」のまとめ

簿記の仮払金の意味をわかりやすく解説しました

今回は仮払金とは何か?

意味や処理方法についてのお話をしてきました。

仮払金は従業員が出張に行く際に、前払いをした時など、一時的に使う勘定科目です。

使い道や金額がはっきりしていないうちに支払ったお金を言います。

そして、使い道や使った金額が確定したら、正しい勘定科目や金額に振り替えましょう。