小売業などでは商品を仕入れて、その商品をお客様に販売します。
普段何気なく使われている商品という言葉ですが、簿記ではどのように使われているのでしょうか?
今回は簿記の勘定科目の一つ『商品』の意味や定義をわかりやすく解説します。
Contents
簿記の勘定科目「商品」とは何かをわかりやすく
それでは商品についてお話をしていきます。
読み方は「しょうひん」。
意味や特徴、処理の仕方などを順番に見ていきます。
簿記の勘定科目「商品」の意味・定義
まずはじめに商品の意味や定義からお話しします。
商品とは販売を目的として取引先から仕入れた物品です。
加工せずにそのままの状態で販売するものを指します。
ちなみに加工して販売する物品は商品ではなく製品として扱われます。
販売目的で仕入れた物品は商品、加工して販売するものは製品となります。
勘定科目「商品」は資産の勘定科目
商品は資産・負債・純資産・収益・費用の5つのグループのうち、資産の勘定科目になります。
商品は会社の財産なので資産です。

ですので仕訳をする際、商品が増加した時は左側(借方)に記入し、商品が減少した時は右側(貸方)に記入します。
簿記の勘定科目「商品」の処理について
商品勘定は分記法を用いて記帳する際に使います。
分記法とは商品売買の記帳方法の1つで、資産である商品勘定と商品売買益という収益の勘定科目を使って仕訳をします。
※分記法は2021年より重要性が乏しくなったという理由から日商簿記検定3級の出題範囲から削除されています。
では実際に商品勘定を使った仕訳をしていきます。
1.分記法を使って商品を仕入れた時の処理
例1)現金2,000円で商品を仕入れた。
商品売買の記帳は分記法によること。
商品が増えた仕訳をします。
分記法を用いて商品の仕入れを記帳する際は商品勘定を使います。
商品は資産の勘定科目ですので、増えた時は左(借方)に記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
商品 | 2,000 |
代金は現金で支払ったので現金を減らします。
現金は資産の勘定科目ですので、減らす時は右側(貸方)に記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
商品 | 2,000 | 現金 | 2,000 |
以上で分記法を使って商品を仕入れた時の処理は完成です。
2.分記法を使って商品を売り上げた時の処理
例2)2,000円で仕入れた商品を2,600円で売り、代金は現金で受け取った。
記帳方法は分記法によること。
商品を販売し、現金を受け取ったので現金を増加させます。
現金は資産の勘定科目ですので、増加した場合は左側(借方)に記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 2,600 |
分記法で記帳していますので商品を売り渡した時は商品勘定を減らします。
商品は資産の勘定科目ですので、減った時は右側(貸方)に記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 2,600 | 商品 | 2,000 |
原価2,000円の商品を2,600円で売ったので差額は600円(2,600円-2,000円)になります。
分記法ではこの差額が商品売買益になります。
商品売買益は収益の勘定科目ですので、増加した時は右側(貸方)に記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 2,600 | 商品 | 2,000 |
商品売買益 | 600 |
以上で分記法を使って商品を売り渡した時の仕訳は完成です。
「簿記の勘定科目【商品】とは?意味をわかりやすく解説します!」のまとめ
今回は簿記の勘定科目『商品』の意味や定義についてお話ししました。
商品とは販売を目的として取引先から仕入れた物品です。
加工せずにそのままの状態で販売するものを指します。