日本は他国と比べ、キャッシュレスの普及が進んでいないと言われています。
でもキャッシュレス還元制度などにより、徐々にではありますがクレジットカード等で支払う方も増えてきています。
ですので、商品の販売もクレジットカードで支払う機会が増えています。
そんな時、仕訳はどのようにすれば良いのでしょうか?
クレジットカードで取引する際には現金と違って支払手数料がかかりますよね。
今回は簿記において、勘定科目「クレジット売掛金」の仕訳の方法をお伝えします。
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クレジット売掛金とは

商品を売り、相手がクレジットカードで支払いをした際、簿記上ではクレジット売掛金として処理をします。
そもそもクレジットカードは後払いで買い物ができるカードのことですよね。
後で代金を受け取ることができるので売掛金として処理をします。
なのでクレジット売掛金と言うそうです。
ちなみに、クレジット売掛金は後から代金をもらうことができる権利ですので、資産の科目になります。
クレジット売掛金と売掛金との違いは?
クレジット売掛金も売掛金も同じ掛取引で、後で代金を受け取ることができるという意味では同じですよね。
一体何が違うのでしょうか?
売掛金は商品を売った相手から支払いを受け取ることになります。
たいして、クレジット売掛の場合はクレジット会社などの信販会社から入金があります。
つまり、クレジット売掛金と売掛金とでは債権先が違ってくるんですね。
仕訳の時は支払手数料も忘れずに!
それではクレジット売掛金の仕訳の方法を見ていきましょう。
クレジットカードで取引した際は信販会社が販売者と購入者の間を取り持ってくれます。
でも、ただで取り持っているわけではないですよね(笑)。
もちろん手数料を支払わなければいけません。
ですのでクレジットカード売掛金を等式にすると
クレジット売掛金=売上-支払い手数料
となります。
そして、クレジット売掛金の仕訳は商品を販売した時と代金を受け取った時の2回あります。
販売した際の仕訳は下記のようになります。
借方 | 貸方 |
クレジット売掛金 | 売上 |
支払手数料 |
勘定科目はクレジット売掛金という名をそのまま使っていただいて結構です。
次に代金が入金された時の仕訳です。
借方 | 貸方 |
普通預金 | クレジット売掛金 |
普通預金に入金され資産が増え、クレジット売掛金が減少します。
クレジット売掛金を使った問題
ではクレジット売掛金を使った問題を解いていきましょう。
問題1
あなたはボールペン3,000円分をクレジット決済で販売しました。
信販会社への手数料は150円で販売時に計上するものとする。
この時の仕訳は?
答え
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
クレジット売掛金 | 2,850 | 売上 | 3,000 |
支払手数料 | 150 |
まず、ボールペンを売上げたので収益の科目である売上を貸方に入れます。
金額は3,000円です。
そして、クレジット売掛金ですが、資産になりますので借方に記入をします。
金額ですが、支払い手数料を引いた金額になりますので、3,000円-150円=2,850円になります。
次に支払い手数料は費用の科目になりますので借方に150円を記入すれば仕訳完成です。
問題2
問題1で売上げたボールペンですが、普通預金をチェックしたら手数料を引かれた金額の入金がありました。
その時の仕訳は?
答え
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金 | 2,850 | クレジット売掛金 | 2,850 |
まず、普通預金に売上から手数料を差し引かれた2,850円が入金されました。
普通預金は資産なので貸方になります。
なので借方に普通預金2,850円と記入します。
そして、クレジット売掛金がなくなりますので、資産の減少、つまり貸方に記入します。
貸方にクレジット売掛金2,850円と記入すれば仕訳完成です。
手数料が事前にわからない時はどうすればいいの?
でも実際のところ実務では手数料を事前に把握するのって難しいことってありませんか?
3%のところもあれば5%のところもあったりします。
クレジットカード会社によっても料率は変わってきます。
そんな時、クレジット売掛金で売上げた時の仕訳は
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
クレジット売掛金 | 3,000 | 売上 | 3,000 |
と手数料を含めずに記帳します。
そして、普通預金に支払手数料が引かれた形で入金がありますので、その際に入金額2,850円と売上から入金額を差し引いた支払手数料150円を記帳することができます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金2,850 | 2,850 | クレジット売掛金 | 3,000 |
支払手数料 | 150 |
【簿記】勘定科目「クレジット売掛金」の支払手数料を含めた仕訳方法のまとめ
・クレジット売掛金はクレジットカード払いで販売した時の仕訳で使う勘定科目。
・売掛金が取引先から入金があるのに対して、クレジット売掛金は信販会社から入金がある。
・クレジット売掛金で販売した際には信販会社に支払う支払手数料がかかるので仕訳の際は費用として計上する。