簿記

電子記録債権の仕訳例をご紹介!売掛金の回収など流れに沿って解説!

手形などの紙のやり取りの代わりに利用されている電子記録債権・債務。

インターネットを用いて債権債務のやり取りを電子記録と行うものですよね。

もちろん簿記試験でも出題範囲になっています。

今回は電子記録債権に的を絞って仕訳例をご紹介します。

売掛金が発生してから回収され、口座に預金されるまでの流れを順番に見ていきましょう!

※こちらの記事は簿記初級者向けに書かれたものです。




Contents

電子記録債権の仕訳をする際の考え方

「電子記録債権」は資産になります。

売掛金や受取手形と同じ勘定科目に属していますね。

流れを見ていくと、まず取引先に商品を掛けで販売すると売掛金が発生します。

そして、その売掛金を電子記録債権で処理したい場合は、銀行に通知をします。

通知は債務者(買掛金がある方)でも債権者(売掛金がある方)でもどちらでも可能です。

債務者から発生記録の請求を行い、電子債権が発生がする方式を債務者請求方式と言います。

たいして、債権者(売掛金がある方)が発生記録の請求をおこなうことにより電子記録債権が
発生した場合は債権者請求方式と言います。

※ただし、債権者請求方式の場合は債務者の承認が必要になります。

相手方も銀行を通じてその発生通知を受け、電子記録債権が成り立ちます。

 

電子記録債権の仕訳例

それでは電子記録債権に関する仕訳をしてきましょう。

まずは取引が発生した際の仕訳から見ていきます。

でははじめていきましょう!

売掛金の発生

例)あなたはH社に自社製品を680,000円で販売しました。

代金は掛けとしました。

まずは、商品を販売した時の仕訳からです。

こちらはサクッといきます。

 

借方 金額 貸方 金額
売掛金 680,000 売上 680,000

 

収益が発生したので貸方(右側)に売上と記入。

同時に売掛金も発生したので貸方(左側)に記入します。

発生記録の請求

例)H社に対する売掛金680,000円に対して、同社から電子記録債権の発生記録の請求がありました。

あなたはそれを承諾しました。

その時の仕訳を見ていきましょう。

まず、資産である電子記録債権が増加しますので、借方(左側)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
電子記録債権 680,000    

 

電子記録債権が増加した代わりに売掛金がなくなります。

ですので、貸方(右側)に売掛金と記入します。

借方 金額 貸方 金額
電子記録債権 680,000 売掛金 680,000

 

支払期限が来て決済された時

例)支払期限がやってきて、当座預金に680,000が入金されました。

資産である当座預金に680,000が入金されましたので、借方(左側)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 680,000    

 

当座預金に入金されたことにより、電子記録債権が消滅します。

ですので、貸方(右側)に電子記録債権680,000と記入します。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 680,000 電子記録債権 680,000

 

以上が電子記録債権を使った仕訳の流れになります。

電子記録債権は譲渡もできる

電子記録債権は譲渡する(ゆずりわたす)ことにより、仕入れをしたり買掛金の支払いに回すこともできます。

譲渡をする場合は債権者が譲渡する旨を電債ネットに通知します。

電子記録債権を譲渡した時の仕訳例も見ていきましょう。

例)あなたは自身の電子記録債権60,000円分を取引先Jに譲渡し、買掛金の支払いに回した。

まず、譲渡したので、電子記録債権が消滅させます。

借方 金額 貸方 金額
    電子記録債権 60,000

 

そして、買掛金が減少するので借方(左側)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 60,000 電子記録債権 60,000

 

以上で仕訳完成です。

 

電子記録債権の仕訳例題




これまで電子記録債権に関するやり取りの流れと仕訳例を見てきました。

理解をできているか確認をするためにも、いくつか問題を解いていきましょう。

電子記録債権の仕訳1

K社に対する売掛金350,000円について、同社から電子記録債権の発生記録の請求がありました。

この時の仕訳をしてみましょう。

 

 

答え

借方 金額 貸方 金額
電子記録債権 350,000 売掛金 350,000

 

発生記録の通知を受けることにより、電子記録債権が発生します。

したがって資産である電子記録債権を借方(左側)に記入します。

また、売掛金が消滅するので貸方(右側)に記入しましょう。

売掛金が電子記録債権に代わるだけですね。

電子記録債権(資産)を増加させて売掛金(資産)を減少させるだけです。

電子記録債権の仕訳2

例題2の支払いが行われ、当座預金に350,000円が振り込まれた。

その際の仕訳は?

 

 

答え

借方 金額 貸方 金額
当座預金 350,000 電子記録債権 350,000

 

まず、当座預金に入金があったため、借方(左側)に記入します。

そして、電子記録債権が消滅したので資産の減少である貸方(右側)に記入をします。

この問題も科目が違えど資産が増加して資産が減少しているという図式になりますね。

電子記録債権の仕訳3

あなたはK商店から120,000円分を仕入れました。

その支払いとして、あなたの電子記録債権の一部である120,000円分の譲渡記録を行いました。

この時の仕訳をしてみよう。

 

 

答え

借方 金額 貸方 金額
仕入 120,000 電子記録債権 120,000

 

まず仕入れをしたので費用が発生します。

したがって借方(左側)に仕入120,000と記入します。

そして、電子記録債権を譲渡した分の仕訳をします。

あなたが持っていた電子記録債権を譲り渡したので資産が減少します。

したがって貸方(右側)に電子記録債権120,000と記入すれば完成です。

 

「電子記録債権の仕訳例をご紹介!売掛金の回収など流れに沿って解説!」のまとめ

いかがだったでしょうか?

今回は電子記録債権の仕訳例を紹介しました。

取引開始(売掛金の発生)、電子記録債権の発生(売掛金の消滅)、当座預金に入金(電子記録債権の消滅)と順番に見ていきましたので、流れを把握することができたのではないでしょうか。

また、電子記録債権は譲渡することもできますので、その仕訳例もご紹介しました。

特に難しい処理はないので、何度か仕訳の練習をしてしっかり身に付けていきましょう!

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