簿記

現金過不足と仮受金の違いは?3つの視点で考えてみました!

今回は簿記の科目【現金過不足】と【仮受金】の違いについてのお話しです。

この2つの科目、使っているとなんだか同じように思えてくるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

はじめはわかりづらいかもしれませんが、意味や・定義を理解すれば違いがわかるはず。

それでは順番に見ていきましょう。




Contents

現金過不足と仮受金の違いを理解する前に

まず、それぞれの勘定科目の意味を簡単に確認しておきましょう。

ご覧ください。

・現金過不足…手元にある現金と帳簿上の現金が一致しない時に使う科目
・仮受金…不明な入金があった時に一時的に使う科目

参考資料:簿記初心者向け!仮受金とは何かをわかりやすく解説!

現金過不足と仮受金の意味がわかったところで、本題に行きましょう。

 

現金過不足と仮受金の違いは?

簿記初心者にとっては違いがわかりづらいこの2つの勘定科目。

なぜ違いがわかりづらいかというと、この2つの科目には共通するようなものがあるからなんです。

まず、どちらも一時的に使う科目ということ。

現金過不足は現金と帳簿残高が合わない時に内容がわかるまで一時的に使います。

そして仮受金は入金されたお金の詳細が判明するまで一時的に使います。

また、現金過不足・仮受金ともに決算までには精算するものです。

ではこの2つの勘定科目の違いはなんなのでしょうか?

3つの視点でお伝えしていきます。

現金過不足と仮受金の違い1:不明なのか一致していないのか




仮受金は入金の内容が不明な時に使うものです。

一方、現金過不足は帳簿と現金が一致しない時に使います。

帳簿と現金が一致しない理由は不明なのかもしれませんが、現金が一致していない事実がありますので、原因がわかるまで現金過不足で計上します。

まずこの違いを把握しておきましょう。

現金過不足と仮受金の違い2:記帳をする前か後か

2つの勘定科目が違うポイントの一つ目。

それは記帳をする前か後かという点です。

まず、仮受金は入金されたものにたいして記帳をしようとしているのに(記帳をする前の時点で)内容が不明なのでどの科目を使って良いのかわからずとりあえず、仮受金科目を使っています。

それにたいして、現金過不足は記帳後の帳簿上の残高と実際の現金が合わないので現金過不足という科目を使って一致させています。

現金過不足と仮受金の違い3:ホームポジションで考えてみる

次に2つの科目をホームポジションという観点で考えてみましょう。

仮受金は不明な入金を一時的に預かっているので、ホームポジションは負債になります。

当座預金に内容不明の入金500円があった場合の仕訳は:

借方 金額 貸方 金額
現金 500 仮受金 500

となり、貸方(右側)にあるのがわかります。

参考資料:仮受金が負債なのはなぜなのか理由を調べてみた

一方の現金過不足はどうでしょうか?

現金過不足の場合は資産にも負債にもなります。

例えば現金の方が帳簿残高より500円多かった場合の仕訳は:

借方 金額 貸方 金額
現金 500 現金過不足 500

と現金過不足のホームポジションは負債になります。

しかし、現金の方が帳簿残高より500円少なかった場合の仕訳は:

借方 金額 貸方 金額
現金過不足 500 現金 500

と、今度は現金過不足のホームポジションは資産になりました。

仮受金のホームポジションは負債、現金過不足のホームポジションは実際ある現金が帳簿上の残高より多いか少ないかによって、負債にも資産にもなるという違いがあります。

 

現金過不足と仮受金の違いは?異なる3つの視点で考えてみました!」のまとめ

現金過不足と仮受金の違いを解説

今回は現金過不足と仮受金の違いについてのお話をしました。

3つの視点でお話ししましたので、参考にしてくださいね。

最初はわかりづらいかもしれませんが、問題を解いていくうちに違いがわかってくるはずです!