簿記の勘定科目である「現金」と「小口現金」。
どちらも同じ紙幣や硬貨ですが簿記上では分けて管理をします。
では2つの違いや分けて管理する理由はなぜなのでしょうか?
今回は勘定科目「現金」と「小口現金」の違いや別々に管理する理由についてお話をします。
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現金と小口現金の違いは?
現金と小口現金の意味は以下になります。
・現金…紙幣や硬貨または通貨代用証券
・小口現金…会社の各部署で経費の支払いができるように用意されている少額の現金
それぞれの勘定科目の意味などの説明は別記事でご紹介していますので、詳細を知りたい方はチェックしてみて下さいね。
現金・小口現金ともに資産のグループの勘定科目で、ホームポジションは貸借対照表の左側(借方)です。

現金と小口現金はなぜ区別するの?
現金は広い意味では小口現金を含めた紙幣や硬貨です。
どちらも貨幣ということになります。
ですので最終的な財務諸表では金額が合算されて貸借対照表の流動資産の部に現金預金などといった科目で表示されます。
では簿記上ではなぜを区別して処理されるのでしょうか?
現金は何かを購入し、支払いをする手段としては便利ですが、手元に置いておくと盗難にあう可能性があります。
ですので企業は現金をなるべく会社内では保管しないようにして、銀行に預金しておきます。
ただ、日々の支払いに必要なお金も会社に用意しておく必要がありますよね。
ですので企業では現金での取引に備えてお金を金庫などに入れておきます。
この現金を管理するのは経理・会計係です。
しかし、複数の部署がある会社ではその部署での文房具代や交通費などのこまごまとした経費の精算をその都度会計係の所まで行ってするのは大変です。
また、金庫には多額の現金が保管されている可能性もあるので、何度も開け閉めするのはセキュリティ上の観点からもよろしくないですよね。
そこで会計係が各部署の担当者(小口係)にその部署で経費の支払いができるように数万円程の少額を渡します。
この会計係が各部署の担当者(小口係)に渡したお金が小口現金です。
小口係は週1回あるいは月1回など決まった日に会計係に支払いの報告をします。
その報告を受けて会計係は小口現金を補充します。
・簿記の処理上での現金…企業が現金での取引に備えて用意しているもので経理や会計係が管理している
・小口現金…各部署での経費の支払いの為に用意されている少額の現金で小口係が管理している
例えば、家計の管理をしているお母さんが持っているお金が現金で子供が持っているお小遣いが小口現金といったイメージでしょうか。
その家族全体で見れば同じお金には変わりませんが、区別しておいた方が管理しやすいですよね。
現金と小口現金は別の帳簿で管理する
また、現金と小口現金とでは管理する帳簿も違ってきます。
現金は現金出納帳に記入し、小口現金は小口現金出納帳に記入をして管理します。
現金出納帳は企業が現金での取引をした時に記入する帳簿で経理部や会計係が記入します。
一方の小口現金出納帳は小口現金を使って支払いをした時に記入する帳簿です。
小口現金出納帳は小口係が記入します。
「現金と小口現金の違いは?区別して管理している理由はなぜ?」まとめ
今回は現金と小口現金の違いについてお話をしました。
簿記上での現金とは企業が現金での取引に備えて用意しているもので経理・会計係が管理しています。
小口現金は各部署の少額の経費の支払いの為に用意されているもので小口係が管理をしています。
どちらもお金ということには変わりませんが、管理しやすいように分けて処理をしています。