簿記

【簿記】現金と当座預金の違いは?間違いやすいポイントを解説!

簿記でよくできてくる勘定科目と言えば「現金」と「当座預金」。

どちらも資産のグループの科目ですが、仕訳の際にどちらを選べばいいかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

特に小切手での取引では誰が振り出したかによって、現金で仕訳をするのか当座預金なのかが変わってきます。

そこで今回は簿記で使われる現金当座預金違いについてお話をします。




Contents

現金と当座預金の意味

現金と当座預金の違いについてお話をする前に、まずそれぞれの意味をしっかりと理解してきましょう。

現金と当座預金それぞれの意味は:

・現金…紙幣や硬貨または通貨代用証券
・当座預金…会社が開設した当座預金口座で小切手や手形を使って預金を引き出す業務用の口座

となります。

どちらも資産のグループの勘定科目で、ホームポジションは貸借対照表の左側(借方)になります。

当座預金と現金のホームポジションは資産

それぞれの勘定科目の詳細は別記事でも解説していますので、さらに詳しく知りたいという方はチェックしてみて下さいね。

>>【簿記】現金の定義や種類をわかりやすくお話します!

>>【簿記】当座預金の意味や特徴をわかりやすく解説!

 

現金と当座預金の違い




現金は普段みなさんが利用している紙幣や硬貨があります。

また、それ以外にも通貨代用証券というものも現金として扱います。

一方の当座預金は会社が開設した預金口座の一種です。

会社は日々多くの取引をしますので、現金でやり取りをするのはとても大変な場合があります。

また、現金は盗難や紛失してしまったりするリスクもあります。

当座預金は小切手を利用して決済ができるので、そういったリスクを避けこともできる便利な業務用の口座です。

現金は紙幣・硬貨および通貨代用証券、当座預金は小切手を使って預金の引き出しをする口座という違いがあります。

ただし、その小切手の仕訳をする際に間違いがないようにしておきたいポイントがあります。

 

現金・当座預金どっちで仕訳するの?

先ほど現金として扱うものとして硬貨や紙幣以外にも通貨代用証券というものがあるというお話をしました。

例を挙げると他人振出し小切手や送金小切手、郵便為替証書、配当金領収書、期日が到来している公社債の利札などがあります。

この中に他人振出し小切手というものがあります。

そうなんです。

小切手は当座預金だけでなく、現金として扱うこともあるんです。

この小切手の扱いが現金と当座預金の違いをわからなくさせている原因とも言えるのではないでしょうか?

ただ、自分が振出した小切手は当座預金として扱い、他社が振出した小切手は現金として扱うと理解しておけば問題ないでしょう。

自分で振り出した小切手は決済されると当座預金口座から引き落とされます。

なので、仕訳の際は当座預金科目を使います。

一方、他社からもらった小切手は銀行に持っていくとすぐに現金化することができるので現金として扱うんです。

自分が振り出した小切手
・渡した場合⇒当座預金が減る
・もらった場合⇒当座預金が増える

他店・他社が振出した小切手
・もらった場合⇒現金が増える
・渡した場合⇒現金が減る

関連資料:小切手の仕訳は現金か当座預金どっちなの?

小切手を振り出した時の仕訳例

ここでは小切手を振り出した時の仕訳をしてみます。

現金または当座預金のどちらで仕訳をすればいいのか確認をしましょう。

仕訳例1)水戸商店から商品320,000円を仕入れて、代金は小切手を振り出して支払いました。

 

商品を仕入れて代金は小切手を振り出して支払っています。

ということは自分が振出した小切手ということになりますよね。

自分が振出した小切手を渡した場合は当座預金を減らします。

借方 金額 貸方 金額
仕入 320,000 当座預金 320,000

 

仕訳例2)水戸商店に商品560,000円を販売して、代金は当社振出しの小切手320,000円を受取り、残額は現金で受け取りました。

 

商品を販売した代金として以前自分が振出した小切手を受取っています。

自分が振出した小切手をもらった場合は当座預金を増加させます。

また残金240,000円(560,000円-320,000円)は現金で受け取っているので以下のような仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 320,000 売上 560,000
現金 240,000    

 

仕訳例3)宇都宮商店に商品650,000円を販売し、代金は同店振出しの小切手で受け取りました。

 

同店振出しの小切手ということは宇都宮商店が振出した小切手を受取ったということになります。

他店が振出した小切手を受取ったということになるので現金が増加させます。

借方 金額 貸方 金額
現金 650,000 売上 650,000

 

仕訳例4)前橋社から商品21,000円を仕入れ、代金は前橋社振り出しの小切手で支払いました。

 

仕入れた商品代を他社が振り出した小切手で支払っています。

他人振出しの小切手で支払った場合は現金を減少させます。

借方 金額 貸方 金額
仕入 21,000 現金 21,000

 

「【簿記】現金と当座預金の違いは?間違いやすいポイントを解説!」のまとめ

今回は簿記で使われる現金と当座預金の違いについてお話をしました。

仕訳の際に現金なのか当座預金なのかわかりずらいポイントは小切手の取扱いです。

自分が振出した小切手は当座預金、他人振出しの小切手は現金を使うようにしましょう!