簿記の勘定科目にある仮払金と仮受金。
パッとみるとなんだか似ているこの2つの勘定科目。
一体どんな違いがあるのでしょうか?
ということで今回は仮払金と仮受金の違いについてのお話をします。
Contents
仮払金と仮受金の違いをお話しする前に
仮払金と仮受金の違いについてお話しする前にもし、そもそも2つの科目の意味がよくわからないという方は別記事で紹介してありますので、事前にチェックしてみてくださいね。
>>【簿記】仮払金の意味をわかりやすく説明!処理の方法も解説!
>>仮受金のとは何かを簿記初心者向けにわかりやすくお話しします!
それでは本題に入っていきましょう!
仮払金と仮受金の違い
仮払金と仮受金。
この2つは対義語になるんですね。
具体的には:
・仮払金…一時的に前払いでお金を支払った時に使う科目
・仮受金…不明な入金があった時に一時的に使う科目
になります。
ではさらに深堀りしていきましょう。
仮払金と仮受金は共通点もある
2つの科目は似たような言葉だけあって共通点もあります。
まず、どちらも内容が不明で仮に処理をする時に使います。
仮払金はどんな内容でどれくらいのお金を使うかわからないけど、いったん概算で支払った時に使いします。
そして、仮受金は入金はあったけど内容が不明でどの科目で計上していいかわからない時に仮に使う科目です。
そして、どちらも一時的に使う科目で詳細がわかったら正しい科目に振替えます。
仮払金は支払ったお金の内容や詳細がわかったら、その内容をもとに振替え仕訳を行います。
仮受金も入金された詳細が判明したら、正しい科目に振り替えるんです。
なので、2つの科目は共通点も多いんですね。
そして、両方とも貸借対照表に出てくる科目でもあります。
ただ、仮払金は資産、仮受金は負債になります。
この点は注意をしておきましょう。
参考資料:仮払金が資産である理由は?
参考資料:仮受金が負債なのはなぜ?
仮払金と仮受金の共通点と相違をまとめてみると
今までお話ししてきた共通点と相違をまとめてみました。
まず、共通点は:
・勘定科目や金額が未確定の時に使う
・一時的に使うもので確定したら正しい科目に振り替える
相違点は:
・仮払金は支出で仮受金は収入
・仮払金は資産で仮受金は負債
になります。
以上の内容をまとめると仮払金と仮受金は:
収支があったが勘定科目や金額が不明な時に一時的に計上する科目。
支出の時は「仮払金(資産)」、収入の時は「仮受金(負債)」。
ということになりますね。
2つの科目の違いを仕訳で比較
それでは仕訳で互いの違いを比較してみましょう。
まずは仮払金です。
例えば20,000円を現金で概算払いした時は
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仮払金 | 20,000 | 現金 | 20,000 |
となります。
現金を渡し、その用途がわかるまで仮払金で計上します。
仮払金は資産なので借方(左側)になります。
次に仮受金です。
今度は当座預金に内容不明な入金20,000円があった場合は
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 | 20,000 | 仮受金 | 20,000 |
になります。
当座預金が増えた原因がわかるまでは一時的に仮受金として計上をしておきます。
仮受金は負債なので貸方(右側)に計上します。
この仕訳を見てみても2つの科目の違いがわかってくるのではないでしょうか?
仮払金と仮受金のさらに詳しい仕訳例や振替仕訳の例は別記事にありますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
「仮払金と仮受金の違いは?異なる点と共通点を比較してみました!」のまとめ

今回は仮払金と仮受金の違いについてお話をさせていただきました。
どちらも内容が不明な時に一時的に使う勘定科目で、支出の時は仮払金、入金があった時は仮受金で計上します。
仮払金は資産で、仮受金は負債だということを理解しておきましょう。