今回は簿記の勘定科目である仮払金がなぜ資産なのかについてのお話です。
特に簿記を習いはじめたばかりだと仮払金がなぜ資産になるのかいまいち理由がわからないという方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?
ですので、皆さんが納得できる回答を探してみました。
その結果、仮払金が資産であるいくつかの考え方を見つけましたので、シェアします。
Contents
仮払金が資産なのはなぜなのか理由を説明
仮払金は従業員が出張に行く際、いくら使うか金額がはっきりしないので概算額を渡した時に使われる簿記の勘定科目ですよね。
そもそも仮払金ってなに?と疑問に感じている方はこちらでわかりやすく解説していますので、チェックしてみてください。
そして調べてみた結果、納得できる3つの考え方を見つけることができました。
一通り読んでみて一番理解しやすいもので、覚えて下さいね。
それでは仮払金がなぜ資産なのか理由や考え方を共有します。
仮払金が資産である理由1:ただ渡しただけの状態だから
従業員が出張に行く際によく使われる仮払金という勘定科目。
会社側からすると仮払いとしてお金を渡しますが、戻ってくるまでは何に使うかわからないですよね。
仮払金はあくまできちんとした処理をする前の仮の勘定科目になります。
お金を仮に渡した状態の時に使う勘定科目です。
資産である現金を仮に渡したので、資産である現金を減らす代わりに資産である仮払金科目を計上するのです。
渡したお金の用途がわかったら交通費なら旅費交通費として費用に振り替え計上されます。
もし、出張に行った従業員が渡したお金を1円も使わず帰ってきたら、現金がそのまま戻ってきますよね?
その際はそのまま仮払金を消滅させて、現金を資産として再度計上されます。
こういったことから仮払金は資産である現金を仮に渡しただけの状態ですので、資産であることがわかりますね。
仮払金が資産である理由2:用途が確定するまでの仮の勘定科目だから
繰り返しになりますが、仮払金は仮に渡したお金です。
従業員が出張に行っている間は何に使うかわかりません。
そして、会社のお金と従業員に渡したお金は分けて管理しなければいけません。
ですので用途が確定するまでの間、渡した現金と同様の資産として計上しておかなければおかしな話になりますよね。
そして、従業員が戻ってきて用途が確定した時にはじめて、費用なら費用に振り替えられるのですね。
仮払金が資産である理由3:費用として振り替えられるわけではない
仮払金が資産であるか納得できない方の中には仮払金が費用と考えている方も多いようです。
これは仮払金を渡した従業員が出張から帰ってきて精算をして、帳簿上で旅費交通費などに振り替えをすることが多いからではないでしょうか。
ただ、仮払金は必ずしも費用として、振り替えられるわけではありません。
先ほどお伝えしたように、お金を使わず戻ってきた場合、仮払金は再び現金と振り替えるわけです。
また、出張先の従業員が得意先の買掛金を支払った場合、買掛金が減少します。
例えば、出張に行った従業員に仮払金1,200円を払った場合、貸方(右側)は現金で借方(左側)は仮払金になります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仮払金 | 1,200 | 現金 | 1,200 |
そして、その従業員が得意先に買掛金1,000円の支払いをして残りの現金200円は使わずに戻ってきたら買掛金の減少と現金の増加となるように振り替え仕訳を行います。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 1,000 | 仮払金 | 1,200 |
現金 | 200 |
このように、仮払金を振り替える科目は必ずしも費用科目だけではないので、こういったことも理解しておきましょう!
「仮払金はなぜ資産なのか理由を解説!その3つの考え方とは?」のまとめ
今回は仮払金がなぜ資産なのか理由がいまいちわからない簿記初心者向けにお話をしました。
今回3つの考え方をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
私は現金を渡して、用途が確定するまでの間に使う仮の勘定科目という点。
そして、渡した現金と同じ価値でないと矛盾する点を加味して、仮払金は資産と判断しました。
参考にしていただいて理解度を深めていって下さいね。