簿記

仮受金の仕訳例!発生から消込・振替仕訳まで順番にご紹介!

今回は仮受金の仕訳についてのお話をしていきます。

入金があったけど、内容がよくわからない時に使う簿記の勘定科目「仮受金」。

そんな仮受金発生発生した時や不明な内容が判明した時の消込振替仕訳まで順番に解説します。

わかりやすく、仕訳例を交えてお話ししていきます!




Contents

【仮受金の仕訳例】解説をする前に

実際に仮受金の仕訳をする前に、仮受金とはどういうものなのか知っておく必要があります。

仮受金の意味をわかりやすくお話しした記事が別にありますので、気になる方は見てみてください!

>>仮受金の意味を簿記初心者向けにお話しします!

それでは仮受金の仕訳を一緒にしていきましょう。

 

仮受金の仕訳例をご紹介

仮受金の仕訳は主に2つ。

1.不明な入金が発生した時の仕訳

2.内容が判明した時の消込仕訳

になります。

まず、1ですが、会社の口座に入金があった時にその内容や詳細がわからないことがあります。

そんな時はいったん仮受金科目で仕訳をします。

ただ、仮受金は一時的に使う科目です。

不明だった内容がわかり次第、正しい科目に振り替え仕訳をしなければなりません。

2は不明だった内容が分かった時にどのように消込処理をすればいいのかお話しします。

仮受金の仕訳例1:発生

仕訳例1)当座預金口座に130,000円の入金があったが、詳細が不明です。

この時の仕訳をしてみましょう。

 

仮受金が発生した時の問題です。

まず、当座預金口座に入金があったので、その分の仕訳をします。

当座預金は資産の科目なので、増加した時は借方(左側)に記入していきます。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 130,000    

次に入金された内容が不明なので、いったん仮受金勘定で、処理します。

仮受金は負債になりますので、貸方(右側)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 130,000 仮受金 130,000

以上で内容不明な入金が発生した時の仕訳は完成です。

内容が判明するまでいったんこのままにしておきます。

仮受金の仕訳例2:判明した時の消込

仕訳例2)内容不明であった130,000円の入金ですが、取引先である大阪社の売掛金の入金だったことがわかりました。

この時の仕訳をしてみましょう。

内容が不明だった当座預金口座への入金ですが、原因が判明しました。

どうやら取引先の大阪社に掛けで売上げた分の入金だったようです。

それでは正しい科目に振替えていきましょう。

売掛金の入金があったので、売掛金を消し込みます。

資産を減少させるので、貸方(右側)に記帳していきます。

借方 金額 貸方 金額
    売掛金 130,000

次に借方です。

とりあえず、仮受金で計上していましたが、内容が明らかになりましたので、仮受金科目を消し込みます。

仮受金は負債ですので、負債を減少させるには借方(左側)に記載をします。

借方 金額 貸方 金額
仮受金 130,000 売掛金 130,000

これで仮受金の消込・振替仕訳は完了しました。

仮受金の仕訳例3:入金額違い

仕訳例3)当座預金に内容不明の入金130,000円があり、ひとまず仮受金で処理してあります。

後日、この不明な入金は兵庫商店が掛けで売上げた取引120,000円を間違えて振り込んでしまったものだということが判明しました。

余計に振り込まれたお金は後日取引先に返金をしました。

この時の時の仕訳をしてみましょう。

不明な入金があったのですが、その原因が分かったようです。

その入金は兵庫商店からのもので、しかも120,000円売上げたものを130,000円入金してしまったようですね。

まず、入金された時には仮受金で処理されていますので:

借方 金額 貸方 金額
当座預金 130,000 仮受金  130,000

となっているはずです。

そして原因が判明したので、振替仕訳をしていきます。

まず、本来の売り上げは120,000円ですので、この分の入金処理をしていきます。

売掛金120,000円が減少し、その分の仮受金120,000円を減少させます。

借方 金額 貸方 金額
仮受金 120,000 売掛金 120,000

次に余計に振り込まれた10,000円の処理をしなければいけません。

当座預金に振り込まれた10,000円を返金し、残りの仮受金も減少させるので:

借方 金額 貸方 金額
仮受金 10,000 当座預金 10,000

以上で完成です。

 

仮受金の仕訳の例題をやってみよう!




ここまで、仮受金の仕訳例を発生から原因判明後の消込まで順番に見ていきました。

ここからは実際に仕訳の問題を解いていきます。

きちんと理解ができているかどうか確認しておきましょう!

仮受金の仕訳例題1

普通預金に謎の入金75,000円があった。

この時の仕訳は?

 

 

答え

借方 金額 貸方 金額
普通預金 75,000 仮受金 75,000

仕訳例1でお話ししたように、内容が不明な入金は仮受金で処理をします。

普通預金は資産の増加、仮受金は負債の増加なので、このような仕訳になります。

仮受金の仕訳例題2

詳細が不明な53,000円だったが、岡山社に販売する商品にかかわる内金の入金だったことが判明しました。

この時の仕訳は?

 

答え

借方 金額 貸方 金額
仮受金 53,000 前受金 53,000

不明だった53,000円ですが、どうやら岡山社から注文を受け、内金をもらっていた分だったようです。

内金や手付金は前受金で処理をします。

前受金は負債なので貸方(右側)、仮受金は減少させるので借方(右側)に記入します。

仮受金の仕訳例題3

普通預金に内容不明の入金130,000円があり、ひとまず仮受金で処理してあります。

後日、この入金は兵庫商店から間違えて振り込まれたものだということが判明しました。

このお金は兵庫商店に返金をしました。

なお、返金するための振込手数料330円は相手負担となりました。

返金した時の仕訳は?

 

答え

借方 金額 貸方 金額
仮受金 130,000 普通預金 129,670
    支払手数料 330

不明な入金が普通預金にあった時点で:

借方 金額 貸方 金額
普通預金 130,000 仮受金 130,000

で処理してあるのはもうお分かりでしょう。

そして、不明な入金の原因がわかり返金をするわけですから、普通預金を減らします。

ただ、振込手数料は相手負担となっていますので、貸方(右側)には普通預金129,670円(130,000-330円)と支払手数料330円が入ります。

そして仮受金130,000円を消し込むために借方(左側)に記入します。

以上で完成です!

 

「仮受金の仕訳例!発生から消込・振替仕訳まで順番にご紹介!」のまとめ

今回は仮受金の仕訳例をご紹介しました。

流れをおさらいすると流れは:

1.不明な入金が発生した時の仕訳

2.内容が判明した時の消込仕訳

になります。

仮受金は一時的に使うものなので、不明な内容がわかったら、正しい科目に振り替えるようにしましょう!