簿記

仮受消費税の仕訳例!売掛金の場合の処理はどうすればいいの?

税抜き方式で経理処理をしている会社で消費税の処理をする際に使う仮受消費税

商品を売り上げた際に受け取った代金の中には仮に預かることになる消費税が含まれています。

今回はそんな仮受消費税の仕訳例をご紹介します。

掛け(売掛金)で販売した場合の処理方法も一度覚えてしまえば簡単にできるようになります!




Contents

仮受消費税の仕訳例

それでは仮受消費税の仕訳例を見ていきましょう。

仮受消費税は商品を売った時に使う科目です。

今回は現金で販売した時の例と売掛金で処理した時の例を見ていきましょう!

仮受消費税の仕訳例:現金の場合の処理

H社は税抜き価格70,000円のキッチン家電を販売しました。

代金77,000円(税込)は現金で受け取りました。

消費税10%は税抜きで処理をします。

この時の仕訳を見てみましょう。

まず、現金を受け取った時の仕訳です。

現金は資産になります。

資産は借方(左側)になりますので、

借方 金額 貸方 金額
現金 77,000    

と記入します。

次に、キッチン家電が売れたので売上げを計上します。

売上げは収益で貸方(右側)になりますので、

借方 金額 貸方 金額
現金 77,000 売上 70,000

とします。

このままでは貸借が一致しませんね。

売上げは本体価格(税抜)で記入しているので受け取った消費税分の仕訳もしなくてはいけません。

ということで最後に仮受消費税分を処理をします。

受け取った現金77,000円のうち、仮受消費税は7,000円になります。
(※内税の計算方法:77,000×0.1÷1.1=7,000)

そして、仮受消費税は負債になります。

負債は貸方(右側)になりますので、

借方 金額 貸方 金額
現金 77,000 売上 70,000
    仮受消費税 7,000

と記入します。

これで貸借一致しました!

現金で受け取った場合の仕訳は以上です。

仮受消費税の仕訳例:売掛金の場合の処理

インテリアメーカーI社はJ店にテーブルを税抜き35,000円分販売した。

代金は掛けとした。

消費税10%は税抜きで処理をします。

それでは仕訳をしていきましょう。

 

代金は掛けとするとありますので、売掛金で処理をします。

売掛金も現金と同様に資産になりますので、借方(左側)になります。

そして、販売したテーブルは税込みで38,500円(35,000円×1.1)になります。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 38,500    

 

次に収益勘定である売上35,000円を貸方(右側)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 38,500 売上 35,000

 

最後に仮受消費税3,500円を計上します。

仮受消費税は負債科目で貸方(右側)になりますので、

借方 金額 貸方 金額
売掛金 38,500 売上 35,000
    仮受消費税 3,500

になります。

これで商品を掛けで売上げた時の仕訳は完了です!

ちなみに後日、売掛金の回収として当座預金に振込があった場合は、売掛金が減少して当座預金が発生するので、

借方 金額 貸方 金額
当座預金 38,500 売掛金 38,500

になります。

また、仮受消費税は商品を仕入れた際に支払った仮払消費税と相殺して、未払消費税として国に納めます。

仮払消費税のことや、消費税の仕訳の流れについてはこちらで解説をしていますので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。

>>仮払消費税や消費税の仕訳の流れをわかりやすく解説!

 

仮受消費税を使った仕訳をしてみよう!




仮受消費税を使った仕訳問題を3つ用意しました。

それでは解いていきましょう。

仮受消費税の仕訳問題1

K楽器店は500,000円(税抜)のピアノを販売しました。

K楽器店は税抜き方式で経理処理をしており、代金は現金で受け取りました。

その際の仕訳は?

 

 

仮受消費税の仕訳問題1の答え

借方 金額 貸方 金額
現金 550,000 売上 500,000
    仮受消費税 50,000

 

資産である現金を受け取ったので借方(左側)に550,000と記入。

売上げは収益なので貸方(右側)に500,000と記入します。

最後に負債科目である仮受消費税を貸方(右側)に記入すれば完成です!

仮受消費税の仕訳問題2

食品メーカーL社はM店にチョコレート30,000円(税抜)分販売しました。

代金は掛けで税抜き方式で経理処理をします。

消費税率は8%(軽減税率)で処理をします。

 

 

仮受消費税の仕訳問題2の答え

借方 金額 貸方 金額
売掛金 32,400 売上 30,000
    仮受消費税 2,400

 

まず売掛金を借方(左側)に記入します。

ちょっとひねって軽減税率にしてみましたので32,400円(30,000×1.08)になります。

売上げは30,000円ですので貸方(右側)に記入します。

最後に仮受消費税2,400円(32,400‐30,000)を貸方(右側)に記入すれば完成です!

仮受消費税の仕訳問題3

決算を迎え、納税額を計算したところ、仮払消費税は100円で仮受消費税は300円でした。

この時の仕訳はどのようにすればいいのでしょうか?

 

 

仮受消費税の仕訳問題3の答え

借方 金額 貸方 金額
仮受消費税 300 仮払消費税 100
    未払消費税 200

 

消費税は受け取った仮受消費税と支払った仮払消費税を相殺して求めます。

相殺するということは負債の仮受消費税が減少するので借方(左側)に、資産である仮払消費税も減少するので貸方(右側)に記入します。

そして、その差額を未払消費税という科目で計上して消費税として国に納付します。

未払消費税は負債になりますので、貸方(右側)に記入します。

 

「仮受消費税の仕訳例!売掛金や現金で売上げた際の処理方法」のまとめ


今回は仮受消費税の仕訳例をご紹介しました。

仮受消費税は消費税をいったん預かっている状態なので、後日支払う義務があります。

ですので負債になります。

負債なので貸方(右側)に記入すれば後は簡単に処理できますよね!