簿記の勘定科目である「貸付金」と「手形貸付金」。
仕訳問題をやっている時に、この2つの勘定科目の違いが曖昧でどちらを選べばいいのかわからなくなってしまったことはありませんか?
今回は「貸付金」と「手形貸付金」の違いや見分け方についてお話ししていきます。
Contents
貸付金と手形貸付金の違い
それではそれぞれの意味を確認していきます。
・貸付金…他人や他社へお金を貸した時に使う勘定科目
・手形貸付金…お金を貸した際、借用証書の代わりに約束手形を受け取った時に使う勘定科目
貸付金と手形貸付金は金銭を回収する権利(債権)を持っているので資産の勘定科目になります。

貸付金と手形貸付金の詳しい内容はこちらで解説しています。
それぞれの意味を確認したところで2つの勘定科目の見分け方など、さらに詳しくお話ししていきます。
貸付金と手形貸付金の違いをさらに深掘り
一般的に、企業がお金を貸す際は借用証書を取り交わします。
借用証書とは借主が貸主に差し出す証書で、お金を借りたことを証明する書類です。
お金を貸した貸主は借主から借用証書を受け取り、貸付金で仕訳をします。
しかし、お金を貸した際に借用証書の代わりに約束手形を受け取ることがあります。
その場合は貸付金と区別するために手形貸付金を使って仕訳をします。
次に貸付金と手形貸付金勘定を使った簡単な仕訳問題を解いていきます。
貸付金・手形貸付金のどちらを使って仕訳をするのか判断しましょう。
貸付金の手形貸付金仕訳例
例1)大分社は宮崎社に現金800,000円を貸し付けた。
大分社の仕訳をしてみましょう。
現金を貸し付けたので、貸付金勘定を使って仕訳します。
貸付金を増加させ、現金を減らします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
貸付金 | 800,000 | 現金 | 800,000 |
※貸付金の仕訳問題では「借用証書にて貸し付けた」などと問題文に書かれている場合もあります。
例2)大分社は宮崎社に現金800,000円を貸し付け、担保として約束手形を受け取った。
大分社の仕訳をしてみましょう。
現金を貸し付け、約束手形を受け取っているので手形貸付金勘定を使って仕訳をします。
手形貸付金を増加させ、現金を減らします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
手形貸付金 | 800,000 | 現金 | 800,000 |
※問題文を読んで「担保として約束手形を受け取った」、「借用証書の代わりに約束手形で受け取った」といった文言があれば手形貸付金を使って仕訳をします。

「貸付金と手形貸付金の違いや見分け方について解説します!」のまとめ
簿記の勘定科目「貸付金」と「手形貸付金」の違いについてお話ししました。
金銭を貸し付けた際は貸付金勘定を使って処理をしますが、借用証書の代わりに約束手形を受け取った場合は手形貸付金勘定を使用します。
問題をよく読めばどちらの勘定科目を使えば良いのか判断できるはずです。
また、受取手形と手形貸付金も似たような勘定科目で違いがわかりづらいですよね。
受取手形と手形貸付金の違いはこちらで解説しています。
>>受取手形と手形貸付金の違いや見分け方について具体的に解説!


