簿記で小切手の仕訳をすることがよくあります。
簿記をはじめて間もない方は勘定科目を現金で処理をすればいいのか当座預金にすればいいのか迷うことがあるでしょう。
一体どのような考え方で見分ければいいのでしょうか?
簿記初心者の方向けにわかりやすくお話していきますね。
Contents
小切手は現金で処理?それとも当座預金
それでは私が小切手の仕訳をする際にどのような考え方で処理をしているかをお伝えします。
小切手を処理する際はその小切手が自分で振り出したものか他店が振り出したものかをまず見分けるようにしましょう。
そして、実際に小切手を受け取ったり渡したりする時にどうなるのかイメージをしながら仕訳をしていくことが非常に大切になります。
それでは見ていきましょう。
小切手の仕訳:自分振り出しの場合は当座預金
まずはじめに自分が振り出した小切手の場合です。
自分が振り出した小切手を処理する場合は当座預金で仕訳をします。
例えば取引先から商品を仕入れてあなたが小切手を発行したとします。
取引先が小切手を現金化した際にはあなたの当座預金から引き落とされますよね。
例)商品Aを5,000円分仕入れて、代金は小切手を振り出して支払った
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 5,000 | 当座預金 | 5,000 |
自分が振り出した小切手を受け取る時もそうです。
もしあなたが以前自分で振り出した小切手が戻ってきたとします。
その際は現金に換金されないので、そのまま当座預金が増えることになります。
現金に換金される前に戻ってきたことになるので当座預金のままで処理をすればいいんです。
例)商品Bを5,000分販売し、代金は以前自分が振り出した小切手で受け取った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 | 5,000 | 売上 | 5,000 |
自分振り出しの小切手
・渡した場合⇒当座預金が減る
・もらった場合⇒当座預金が増える
小切手の仕訳:他店振り出しの場合は現金
次に他店が振り出した小切手を処理する時の考え方です。
他店が振り出した小切手を処理する場合は現金で仕訳をすることになります。
あなたが商品を販売して取引先が振り出した小切手を受け取るとします。
あなたは小切手を銀行に行って換金してもらいますよね。
つまり現金化されているので現金で処理をすればいいという考え方です。
あなたは商品Cを7,000円分販売して、その支払いとして取引先から小切手を受け取った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 7,000 | 売上 | 7,000 |
他店が振り出した小切手を取引先に渡した場合も、現金として処理をします。
自分で換金をすれば現金として処理できるもの、いわば現金のようなものを取引先に渡したので現金で処理をするのです。
商品Dを7,000円分購入し、取引先Eに他店振り出しの小切手を渡した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 7,000 | 現金 | 7,000 |
この場合の小切手は取引先Eが振り出したものでも違う会社が振り出したものでも関係なく、現金で処理します。
他店が振り出した小切手
・もらった場合⇒現金が増える
・渡した場合⇒現金が減る
小切手の仕訳をする時はイメージが大切
いかがだったでしょうか?
このように小切手の仕訳をする際は、自分が振り出したものか他店が振り出したものかをまず、チェックするようにしましょう。
自分振り出しの小切手
・もらった場合⇒当座預金が増える
・渡した場合⇒当座預金減る
他店が振り出した小切手
・もらった場合⇒現金が増える
・渡した場合⇒現金が減る
上記のポイントをそのまま覚えておくのもいいですが、なるべく実際の実務をイメージするとより確実に身に付けることができますよ。
例えば、
・自分で振り出したものは当座預金から引き出されるから「当座預金」で仕訳をする。
・他店が振り出した小切手は銀行に行って現金化をするので「現金」で処理をする。
というようなイメージです。
そうすることで簿記の試験で応用問題が出てきても対応ができるようになります。
例えば、「他店振り出しの小切手をもらったがすぐに当座預金に入金した」などの場合も、
・他店振り出しの小切手をもらったので現金化した
・次に現金をすぐに当座預金に入金した
・なので資産である当座預金が増加した
・借方(左側)に当座預金科目を記入
と流れが把握できるようになってきます!
小切手に関する仕訳の問題をしてみよう
それでは小切手による取引の仕訳をしてみましょう。
今までのお伝えした流れをイメージすればできるはずです!
小切手の仕訳問題1
取引先Fに商品550,000円分を販売し、代金は同店振り出しの小切手を受け取った。
この時の仕訳をしてみましょう。
答え
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 550,000 | 売上 | 550,000 |
商品を販売したので貸方(右側)に売上550,000を記入します。
そして、同店振り出しの小切手を受け取ったとあります。
同店が振り出したとは取引先Fが発行したということです。
他店振り出しの小切手を受け取ったら銀行で現金化をします。
ですので現金(資産)が増加しますので借方(左側)に記入すれば完成です!
小切手の仕訳問題2
取引先から商品160,000円を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払いました。
この時の仕訳は?
答え
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 160,000 | 当座預金 | 160,000 |
まず、商品を仕入れたので、費用である仕入を借方(左側)に記入します。
そして、小切手を振り出したとあります。
自分で小切手を振り出したので自分の当座預金から代金が引き落とされます。
よって資産である当座預金が減少するので貸方(右側)に記入します。
小切手の仕訳問題3
取引先Gに商品850,000を販売しました。
代金は同店振り出しの小切手で受け取り、すぐに当座預金に預けました。
この時の仕訳はどうすればいいのでしょうか?
答え
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 | 850,000 | 売上 | 850,000 |
まず、売上げが発生したので貸方(右側)に記入します。
取引先Gが振り出した小切手を受け取って、現金化しましたがすぐに当座預金に預け入れました。
ですので、資産である当座預金が増加したことになります。
「小切手の仕訳は現金か当座預金どちらですればいいの?」のまとめ
小切手の仕訳をする時にはまず、自分が振り出したものか他人が振り出したものかを確認するようにしましょう。
そして、自分が振り出したものなら「当座預金」、他店振り出しなら「現金」で仕訳をします。
実際に処理をしている姿をイメージして仕訳してみましょう!
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