簿記の問題では独特の言い回しがあり、最初はいまいち意味が理解できないものもありますよね。
問題を解いていると「同店振り出しの小切手で受け取った」という文言がよく出てきます。
いったいこれはどう意味なのでしょうか?
小切手で回収したことはわかりますが、勘定科目は現金なのかそれとも当座預金なのかわからないという方も中にはいらっしゃるでしょう。
今回は簿記で「同店振り出しの小切手で受け取った」という問題が出てきた時の解釈と仕訳の方法についてお話します。
Contents
「同店振り出しの小切手で受け取った」時の解釈
「同店」とは問題文ですでにお店の存在が明らかになっているものを指します。
例えば、「仙台商店は盛岡商店に商品140,000円を売上げ、代金は同店振出しの小切手で受け取った」という問題があったとします。
この場合、同店とは直前にあがっている盛岡商店のことを指しています。
そもそも同店振り出しの小切手ってどういう意味なのか分からないという方は別記事で詳しく紹介していますので、チェックしてみてくださいね。
同店振り出しの小切手を受け取った時は現金?それとも当座預金?
では勘定科目は何にすればいいのでしょうか?
取引先である盛岡商店が振り出した小切手を受取ったので、他人振出しの小切手を受取った
ことになります。
他人が振り出した小切手を受取った際は、現金を増加させます。
ですので、先ほどの「仙台商店は盛岡商店に商品140,000円を売上げ、代金は同店振出しの小切手で受け取った」という問題は:
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 140,000 | 売上 | 140,000 |
という答えになります。
他人が振り出した小切手をもらったり、渡したりした場合は現金勘定を使い、逆に自分が振り出した小切手を渡したり、振出したりした場合は当座預金勘定を使います。
「ただちに当座預金に預け入れた」場合
ただし、他人が振出した小切手を受取ったとしても、「ただちに当座預金に預け入れた」と書かれた問題も出題されます。
この場合は当座預金を使います。
簿記の問題って良く読んでおけば防ぐことができたミスって結構あるのではないでしょうか?
ケアレスミスがないように問題文はしっかり読むようにしておきたいですね。
小切手を受取った時の仕訳例題
今回お伝えした内容をふまえて仕訳の例題を解いてみましょう。
問題文を良く読めば必ずわかるはずです。
でははじめましょう!
問題1:秋田社に対する売掛金53,000円を同社振出しの小切手で受け取った。
この時の仕訳は?
答え
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 53,000 | 売掛金 | 53,000 |
解説
売掛金の回収の問題です。
同社というのは秋田社のことを言っています。
秋田社が振り出した小切手を受取ったので、現金が増えることになります。
右側(貸方)は売掛金になります。
問題2:山形商店に商品73,000円を販売し、代金は同店振り出しの小切手で受け取り、ただちに当座預金に預け入れた。
答え
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 | 73,000 | 売上 | 73,000 |
解説
この問題も他店振出小切手を受取っています。
ただ、受け取ってすぐに当座預金に預け入れていますよね。
ですので、左側(借方)は当座預金になります。
右側(貸方)は売上になります。
問題3:福島商店に商品340,000円を販売し、代金は当社振出の小切手300,000円を受取り、残額は現金で受け取った。
答え
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 | 300,000 | 売上 | 340,000 |
現金 | 40,000 |
解説
「代金は当社振出の小切手300,000円を受取り」とありますので、自己振出小切手を受取ったことになります。
自己振出小切手を受取った場合は当座預金勘定を使います。
残額40,000円は現金で受け取ったので現金を増加させます。
右側(貸方)は売上になります。
「同店振り出しの小切手で受け取った時は現金?それとも当座預金?」のまとめ

簿記の問題で「同店振り出しの小切手で受け取った」とある場合、同店とは直前にあるお店を指しています。
他店振出小切手は通貨代用証券になるため、現金勘定を使って仕訳をしましょう。
また、簿記の問題では他店振出小切手を受取った場合でもただちに当座預金に預け入れる問題などもあります。
ケアレスミスがないように問題をしっかり把握するようにしましょう!
