簿記

小口現金の仕訳ルールを解説!支払いや補充をした時の具体例もご紹介!

小口現金の仕訳ルールを解説します

日々の少額な取引の支払いのために用意されている小口現金。

そんな小口現金はどのように仕訳を行うのでしょうか?

今回は小口現金仕訳ルール仕訳例をご紹介します。

小口現金の「前渡し時」、「日々の支払い」、「報告を受けた時」、「補充時」など流れに沿ってお話ししていきます。




小口現金の仕訳をするための予備知識

仕訳をする前に小口現金についておさらいをしておきましょう。

小口現金とは:

・小口現金…各部署で経費の支払いができるようにあらかじめ用意してある現金

です。

各部署に小口現金を用意しておくことで、わざわざ経理部に行って現金をもらいに行かなくても経費の支払いがスムーズにできます。

小口現金の意味や定義などの詳細についてはこちらで解説していますので、詳しく知りたい方はチェックしてみて下さいね。

>>小口現金の意味や定義など基礎知識をわかりやすくご紹介します!

 

小口現金の仕訳ルール

それでは小口現金の仕訳のルールについて解説します。

各部署には小口現金を管理する担当者がいて会計係から一定額を受け取り、経費の支払をします。

一連の流れを見てみましょう。

1.まず会計係(経理担当者)が小口係に一定額を前渡します。

2.小口係は小口現金を使って日々の経費の支払いをします。
※小口係は支払った内容を小口現金出納帳という帳簿に記入します。

3.小口係は定期的(週1回・月1回など)に支払った経費の内容を会計係に報告をします。

4.会計係は報告を受けた金額と同額の小口現金を再度小口係に渡します。

小口現金の運用方法

このような流れで小口現金を取扱う仕組みをインプレストシステムと呼び、今回はこの流れに沿って仕訳をしていきます。

小口現金は資産のグループです。

小口現金は資産の勘定科目

ホームポジションは貸借対照表の左側(借方)になります。

ですので、仕訳をする時は:

・小口現金が増加した時は左側(借方)
・小口現金が減少した時は右側(貸方)

に記入していくことになります。

それでは実際に小口現金の仕訳をしてみましょう。




小口現金の仕訳ルール1:前渡し時の仕訳例

はじめに小口係に小口現金を前渡しした時の仕訳をしていきます。

会計係が小口係に小口現金を渡します。

現金で支給したり、小切手を振り出して渡すこともあります。

今回は小口係に小切手を振り出して小口現金100,000円を支給した時の仕訳を見てみましょう。

仕訳例1)奈良社の経理担当者は小口係に小口現金100,000円を小切手を振り出して前渡しした。

 

小切手を振り出して小口現金を支給したとあります。

小切手を振り出した時は当座預金を減少させます。

当座預金は資産の勘定科目なので減少した時は右側(貸方)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
    当座預金 100,000

小口現金が増加したので、左側(借方)に小口現金100,000円と記入します。

借方 金額 貸方 金額
小口現金 100,000 当座預金 100,000

これで小口係に小口現金を前渡しした時の仕訳は完成しました。

小口現金の仕訳ルール2:支払い時は仕訳なし

小口係は受け取った小口現金で経費の支払いをします。

ただ、諸経費を支払った時点では仕訳は行いません。

小口係は小口現金出納帳に支払い内容を記入し、後日会計係に報告をします。

その報告を受けて会計係が仕訳をします。

ですので、「小口係が□□代として〇〇円支払った」などの仕訳問題が出てきたら「仕訳なし」が解答になります。

仕訳例2)小口係は切手代2,000円、電車代1,000円を支払った。

 

小口係が経費を支払った段階ですので、仕訳は行いません。

ですので解答は「仕訳なし」です。

小口現金の仕訳ルール3:支払い報告を受けた時の仕訳例

では小口係から精算した金額の報告を受けた時の仕訳を見ていきます。

仕訳例3)小口係から切手代(通信費)5,000円、電車代(旅費交通費)2,500円、文房具代(消耗品費)500円、電気代(水道光熱費)15,000円の支払いの報告を受けた。

 

通信費や旅費交通費、消耗品費、水道光熱費は費用の勘定科目です。

費用の勘定科目が増加した時は左側(借方)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
通信費 5,000    
旅費交通費 2,500    
消耗品費 500    
水道光熱費 15,000    

支払いはすべて小口現金からまかなったので小口現金を減少させます。

小口現金は資産の勘定科目ですので、減らす場合は右側(貸方)に仕訳します。

金額は23,000円(5,000円+2,500円+500円+15,000円)です。

借方 金額 貸方 金額
通信費 5,000 小口現金 23,000
旅費交通費 2,500    
消耗品費 500    
水道光熱費 15,000    

 

小口現金の仕訳ルール4:補充した時の仕訳例

使用した小口現金を補充します。

経理担当者は小口係から報告を受けた金額と同額の小口現金を補給します。

仕訳例3で小口現金から23,000円分の経費の支払いがあったことがわかっているのでこの分を補充する仕訳をしてみましょう。

仕訳例4)奈良社の経理担当者は、小口係に小切手23,000円を振り出して小口現金を補給した。

 

小切手を振り出したので当座預金を減少させます。

借方 金額 貸方 金額
    当座預金 23,000

小口現金が増えたので、小口現金23,000円を増加させます。

借方 金額 貸方 金額
小口現金 23,000 当座預金 23,000

これで小口現金を補給した時の仕訳は完成しました。

仕訳をする時の考え方は最初に前渡しした時(仕訳例1)と同じですね。

報告を受けてすぐに補給することも

小口係から支払いの報告を受けてすぐに補給した場合の仕訳をしてみましょう。

仕訳例5)小口係から切手代(通信費)5,000円、電車代(旅費交通費)2,500円、文房具代(消耗品費)500円、電気代(水道光熱費)15,000円の支払いの報告を受け、ただちに同額の小切手を振り出して補給した。

 

支払いの報告を受けた分の費用を借方に記入していきます。

借方 金額 貸方 金額
通信費 5,000    
旅費交通費 2,500    
消耗品費 500    
水道光熱費 15,000    

ただちに小切手を振り出して補給したとありますので、当座預金を減少させます。

借方 金額 貸方 金額
通信費 5,000 小口現金 23,000
旅費交通費 2,500    
消耗品費 500    
水道光熱費 15,000    

仕訳例3では支払い報告を受けた時の仕訳をし、仕訳例4では補給をした時の仕訳をそれぞれ行いました。

仕訳例5では支払い報告を受けた時と補給時の仕訳を同時に行うことになります。

仕訳例3と仕訳例4の小口現金勘定を省略してまとめると仕訳例5になります。

仕訳例3:

借方 金額 貸方 金額
通信費 5,000 小口現金 23,000
旅費交通費 2,500    
消耗品費 500    
水道光熱費 15,000    

仕訳例4:

借方 金額 貸方 金額
小口現金 23,000 当座預金 23,000

仕訳例3・4の小口現金勘定を省略してまとめると:

借方 金額 貸方 金額
通信費 5,000 小口現金 23,000
旅費交通費 2,500    
消耗品費 500    
水道光熱費 15,000    

支払いの報告を受けてすぐに小口現金の補給を行った場合の仕訳は以上です。

 

「小口現金の仕訳ルールを解説!支払いや補充をした時の具体例もご紹介!」のまとめ

今回は小口現金の仕訳ルールや仕訳例を流れに沿ってご紹介しました。

「前渡しをした時」、「小口係から報告を受けた時」、「補給した時」の3つのタイミングで仕訳をします。

仕訳例5のように報告を受けた時と補給したタイミングが同時になることもあります。

小口現金の仕訳は今回お伝えしたルールが理解できれば簡単に処理できますので自信を持って取り組んでいきましょう!