簿記

勘定科目「繰越商品」を使った仕訳をわかりやすく解説!【簿記3級】

繰越商品の仕訳の仕方を解説します

今回は簿記勘定科目の一つ『繰越商品』を使った仕訳についてお話しします。

売れ残った在庫商品を意味する繰越商品ですが、どのように仕訳をするのでしょうか?

簿記3級の出題範囲である繰越商品を使って売上原価を算定する決算整理仕訳について深掘りしていきます。




繰越商品の仕訳をするための予備知識

仕訳をする前に繰越商品の意味をおさらいしておきます。

繰越商品とは:

・繰越商品…期末にまだ販売していない商品(在庫)の金額を表す勘定科目

のことです。

三分法では商品を仕入れた時に仕入という費用の勘定科目を使って仕訳をします。

そして、決算時に当期の期首にある前期末からの繰越商品を足して、期末の繰越商品を引くことにより売上原価を計算します。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

なぜこのようなことをするかと言うと売上原価は当期に仕入れた商品の仕入額ではなく、当期に販売した商品の仕入額だからです。

この売上原価を算定するために期首の繰越商品(資産)を仕入(費用)に振り替え、期末に売れ残った商品を仕入(費用)から繰越商品に振り替える仕訳をすることになります。

詳しい内容は別記事で解説していますので気になる方はチェックしてみて下さいね。

>>簿記の勘定科目「繰越商品」の意味をわかりやすく解説!

 

簿記の勘定科目「繰越商品」の仕訳

繰越商品は資産のグループに属しています。

繰越商品は資産

ですので、仕訳をする時には:

・繰越商品が増加した時には左側(借方)
・繰越商品が減少した時には右側(貸方)

に記入していきます。

それでは繰越商品勘定を使った仕訳をやってみましょう!




繰越商品を使った仕訳1:売上原価を算定(期首に在庫がない場合)

次の取引について決算整理仕訳をしてみましょう。

当期商品仕入高15,000円、期末商品棚卸高3,000円である。

売上原価は仕入勘定で算定する。

 

売れ残った商品3,000円を繰越商品にするので、繰越商品勘定を増加させます。

繰越商品は資産ですので、増えた時は左側(借方)に仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
繰越商品 3,000    

仕入3,000円を減らすので右側(貸方)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
繰越商品 3,000 仕入 3,000

これで期末商品棚卸高が3,000円だった場合の売上原価を計算するための決算整理仕訳は完成です。

この仕訳を行ったことにより売上原価12,000円(15,000円-3,000円)を算定できました。

売上原価の算定1

売上原価12,000円=当期商品仕入高15,000円-期末商品棚卸高3,000円

 

繰越商品を使った仕訳2:売上原価を算定(期首・期末に在庫がある)

次の取引について決算整理仕訳をしてみましょう。

期首商品棚卸高5,000円、当期商品仕入高70,000円、期末商品棚卸高4,000円である。

売上原価は仕入勘定で算定する。

 

今度は期首にも商品があった場合の売上原価を算定します。

期首に商品在庫(繰越商品)があった場合はその期首にあった商品はすべて販売したとみなし、期首の繰越商品を仕入(費用)に振り替える仕訳をします。

期首商品棚卸高5,000円を仕入(費用)にします。

借方 金額 貸方 金額
仕入 5,000    

そして繰越商品を減少させます。

繰越商品は資産なので減少させる時は右側(貸方)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
仕入 5,000 繰越商品 5,000

そして仕訳1と同様に期末の在庫商品を仕入(費用)から繰越商品(資産)に振り替える仕訳を
します。

借方 金額 貸方 金額
仕入 5,000 繰越商品 5,000
繰越商品 4,000 仕入 4,000

これで期首・期末に在庫がある場合の売上原価を計算するための決算整理仕訳は完成です。

この仕訳を行ったことにより売上原価71,000円(5,000円+70,000円-4,000円)を算定できました。

売上原価算定2

売上原価71,000円=期首商品棚卸高5,000円+当期商品仕入高70,000円-期末商品棚卸高4,000円

 

繰越商品を使った仕訳3:売上原価勘定で売上原価を算定

次の取引について決算整理仕訳をしてみましょう。

期首商品棚卸高5,000円、当期商品仕入高70,000円、期末商品棚卸高4,000円である。

売上原価は売上原価勘定で算定する。

 

仕入勘定ではなく売上原価勘定を新たに設け、売上原価を計算するパターンもあります。

※こういった場合、問題文に「売上原価は売上原価勘定で算定する。」などの記載があります。

売上原価勘定で売上原価を算定する際は:

仕入〇〇/繰越商品〇〇
繰越商品〇〇/仕入〇〇

上記の仕訳の仕入勘定を売上原価にすることと当期商品仕入高を仕入勘定から売上原価勘定に振り替える仕訳をします。

売上原価勘定で売上原価を計算するためにまず期首の在庫商品を売上原価勘定に振り替えます。

借方 金額 貸方 金額
売上原価 5,000 繰越商品 5,000

そして期中で計上した仕入高を売上原価勘定に振り替える仕訳をします。

今回は当期商品仕入高は70,000円なので、この70,000円を仕入から売上原価に振り替えます。

借方 金額 貸方 金額
売上原価 5,000 繰越商品 5,000
売上原価 70,000 仕入 70,000

最後に期末に残った商品を売上原価から除く仕訳をします。

借方 金額 貸方 金額
売上原価 5,000 繰越商品 5,000
売上原価 70,000 仕入 70,000
繰越商品 4,000 売上原価 4,000

これで売上原価勘定を使って売上原価を計算するための仕訳は完成です。

この仕訳を行ったことにより売上原価71,000円(5,000円+70,000円-4,000円)を算定することができました。

売上原価71,000円=期首商品棚卸高5,000円+当期商品仕入高70,000円-期末商品棚卸高4,000円

 

「勘定科目「繰越商品」を使った仕訳をわかりやすく解説!【簿記3級】」のまとめ

簿記の勘定科目「繰越商品」を使った仕訳をしてきました。

三分法(売上・仕入・繰越商品)で処理する場合、期中の取引では売上勘定と仕入勘定のみが出てきて、決算整理仕訳ではじめて繰越商品が登場します。

期首の繰越商品(資産)を仕入(費用)に振り替え、期末に売れ残った商品を仕入(費用)から繰越商品に振り替える仕訳をすることにより売上原価を算定します。

 

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