簿記の勘定科目である「前受金」と「前払金」。
商品売買する際に使われる勘定科目ですよね。
簿記をはじめたばかりの方はどのように使い分ければいいのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は前受金と前払金の違いについてお話をします。
Contents
前受金と前払金の意味は?
まず前受金と前払金の意味を確認しておきましょう。
それぞれの勘定科目の意味は:
・前受金…販売する商品やサービス代金の一部または全部を前もって受け取った時に使う勘定科目
・前払金…購入する商品やサービス代金の一部または全部を前もって支払った時に使う勘定科目
ということになります。
イメージできたでしょうか?
さらに詳しく説明したものが別記事にありますので、興味のある方はチェックしてみてください。
前受金と前払金の違いとは?
それでは前受金と前払金についてさらに詳しく話をしていきます。
取引をする中で前もって受取ったのか、それとも支払ったのかがポイントです。
また、ホームポジションが資産なのか負債なのかにも注目しましょう。
では見てきます。
代金を事前に受取ったのか支払ったのか
例えば、広島社が島根社に商品を納品する契約を結んだとします。
広島社は商品を納品する前に島根社から120,000円を現金で受け取りました。
という取引を例を見ていきます。
広島社は商品を販売する方で、代金を受取っています。
前受金は商品やサービスを提供する前に代金を受取った時に使う科目です。
ですので、広島社は前受金科目を使って計上をすることになります。
今度は島根社の視点から見てみましょう。
島根社は商品を注文し、事前に広島社に現金を支払いました。
商品を提供する前に代金を支払っているので、島根社は前払金科目を使って計上します。
商品を販売する側、つまり代金を前もって受け取った側は前受金を使う。
そして商品を購入する側、代金を前もって支払った側は前払金を使います。
前受金は負債・前払金は資産
先程の広島社と島根社の取引の仕訳をしてみましょう。
広島社は事前に現金120,000円を受取っているので状態なので仕訳をすると:
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 120,000 | 前受金 | 120,000 |
となります。
借方(左側)は現金を受け取ったので資産が増加したのがわかります。
そして前受金は貸方(右側)、つまり負債になります。
内金として現金を受け取った時点では商品はまだ納品されていません。
ということは商品を納品する義務が発生しているわけなんです。
なので、前受金は負債になります。
今度は島根社側の仕訳をしてみましょう。
島根社は代金を事前に支払っています。
仕訳をすると:
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
前払金 | 120,000 | 現金 | 120,000 |
となります。
貸方(右側)は現金を支払ったので資産が減少したのだとわかります。
そして、前払金が借方(左側)、つまり資産になっているのがわかります。
島根社は前もって代金を支払っているので後日商品を受取る権利を持っています。
なので資産として計上するのです。
前受金は負債のグループ、前払金は資産のグループという違いも把握しておきましょう。
参考資料:前受金が負債なのはなぜなのか理由を解説!
参考資料:前払金が資産である理由を解説します!
収益になるか費用になるか
広島社が代金を受取った時点での仕訳は:
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 120,000 | 前受金 | 120,000 |
でした。
そして、後日広島社は商品を納品しました。
広島社は商品を納品した時点で売上を上げることになります。
ですので、前受金として計上していたものを売上科目に振替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
前受金 | 120,000 | 売上 | 120,000 |
一方の島根社は代金を支払った時点での仕訳は:
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
前払金 | 120,000 | 現金 | 120,000 |
でしたよね。
そして、商品を受取った際には費用と振替えます。
今回は商品を仕入れたので仕入科目に振替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 120,000 | 前払金 | 120,000 |
代金を受取った側、つまり販売した側は商品を納品した時点で売上に振替えます。
そして、代金を支払った側、購入した側は商品を受取った時点で費用科目に振替えます。
「前受金と前払金の違いは?代金を前もって受け取ったか支払ったか要確認!」のまとめ

今回は簿記の勘定科目「前受金」と「前払金」の違いについてお話をしました。
前受金は商品を納品する前に代金を受け取った時に使います。
前払金は逆に商品を購入する前に代金を支払った時に使う勘定科目です。
また、前受金は負債であり、前払金は資産であることも理解しておきましょう。