今回は簿記の勘定科目の一つ『前受金』のお話をします。
「前もって受け取るお金」と書いて前受金と読みますが、一体どんな意味があってどういう時に使うのでしょうか?
前受金とは何かを簿記初心者にもわかりやすく解説します。
Contents
前受金とは何かをわかりやすく
それでは前受金についてお話をしていきます。
こちらのブログでは基礎の基礎から学んでいきます。
まず読み方ですが「まえうけきん」です。
ちなみに英語では「Advance received」、「advances by customers」。
advanceは前もって、事前に、あらかじめのと言う意味で、receiveは受け取るという意味なので「前もって受取る」ということになりますね。
さらに詳細を見ていきましょう。
前受金の意味・定義
それでは前受金の意味や定義についてお話します。
前受金は商品やサービスなどの注文を受けた際に、代金の一部または全部を内金や手付金として前もって受け取った時に使う勘定科目です。
購入者 → お店・会社
手付金・内金
注文を受けてから生産をする受注生産だったり、発売日や受け渡し日に販売側が商品を引き渡す場合に、販売側が手付金や内金を受取る場合があるのです。
手付金や内金は
・ゲームソフトやCD・DVDの予約をした時
・旅行の申し込みをした時
・賃貸物件の申し込みをした時
・工事代金の前受けをした時
などで使われます。
ちなみに手付金と内金は同じような意味合いで使われていますが、少し意味が違います。
ざっくり言うと、手付金は注文した商品やサービスを解約することができるのにたいして、内金は解約ができないものになっています。
皆さんは商品やサービスを利用する際に前もって代金の一部または全部を支払ったことはありますか?
その際、あなたから代金を受取ったお店や会社は内金や手付金を受取ったことになります。
そのお店・会社はあなたに商品やサービスを提供するまで前受金科目を使って会計処理をしています。
前受金の意味をさらに深堀り
前受金は商品を納品したり、サービスを提供する前に代金を受取ります。
視点を変えると、後日商品を納品したり、サービスを提供する義務が生じています。
ですので、前受金は負債のグループに属する勘定科目です。
詳しくはこちらでも解説していますので、気になる方はご覧ください。
【簿記】前受金の使い方
前受金を受取った時点ではまだ売り上げが立っていません。
商品を納入したり、サービスを提供した時に売上が上がるからです。
ただ、代金をすでに受取っているわけなので、何らかの処理をしなくてはいけませんよね。
そんな時に前受金を使うんですね。
そして売上が上がった時点で、前受金と売上を振り替えます。
簡単な仕訳をしてみましょう。
まずは前受金を受取った時の仕訳です。
例)兵庫社から商品250円分の注文を受け、内金として50円を現金で受け取りました。
この時点では内金を受取りましたが、商品は渡していません。
ですので、商品を渡すまで前受金科目で計上します。
まず現金を受け取ったので借方(左側)に現金を記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 50 |
そして内金を受け取ったとありますので、前受金科目を使います。
前受金は負債ですので、貸方(右側)に記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 50 | 前受金 | 50 |
次に商品を受取った時の仕訳です。
例)兵庫社に商品250円分を納品し、代金のうち50円は内金と相殺し、残額は現金で受け取りました。
商品を納品したので、売上を計上します。
その際に前受金を売上げに振り替えます。
まず、売上が上がった分を計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
売上 | 250 |
内金と相殺とありますので、前受金を減少させます。
負債の減少なので、借方(左側)に記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
前受金 | 50 | 売上 | 250 |
残額は現金で受け取ったので借方(左側)に現金を記帳していきます。
残額は200円(250円-50円)になります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
前受金 | 50 | 売上 | 250 |
現金 | 200 |
これで、内金を受取った後に商品を売り上げた時の仕訳は完成です。
前受金の仕訳や簡単な例題はこちらをご覧ください。
「前受金とは何かをわかりやすく!意味や定義・使い方を簿記初心者に!」のまとめ

今回は簿記の勘定科目「前受金」とは何かを簿記初級者向けにわかりやすく解説をしました。
前受金は商品やサービスなどの注文を受けた際、代金の一部または全部を内金や手付金として受け取った時に使います。
前受金を受取った後に、商品の納入やサービスの提供が行われたら売上科目に振り替えましょう。
関連資料:前受金の仕訳例を具体的に解説!