今回は簿記の勘定科目の一つである未払金のお話です。
未払金とはそもそもどういう意味なのかを簿記初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
また、未払金がなぜ負債のグループに属しているのか、買掛金と分ける理由なども説明していきます。
特にむずかしい話ではないので、楽しんで読んでくださいね!
Contents
未払金とは何かをわかりやすく説明
それでは未払金の解説をしていきましょう。
ここでは未払金の意味や定義を説明します。
また、英語での読み方や反対語なども知識として知っておきましょう。
簿記の勘定科目【未払金】の意味・定義
まず読み方ですが【みばらいきん】と読みます。
未払金は大きく分けて2つの意味があります。
一つは営業活動をしていく中で発生した仕入れ以外の費用を後払いする時に使います。
もう一つは営業活動以外のもので固定資産や有価証券などの代金を後日支払うことになった時に使用する勘定科目です。
固定資産とはパソコンやデスク・いすなどの備品関係や会社で使用する車関係(車両運搬具)、店舗や事務所・倉庫などの建物、そして土地などのことを言います。
また、有価証券とは株式や債券、手形、小切手のことを言います。
仕入れに関わる商品は買掛金という勘定科目で処理しますが、仕入れ以外で代金が後払いになった時には未払金を使うことになります。
ちなみに英語では【accounts payable】、【accrued liability】というようですね。
未払金の対義語は?
未払金の反対の言葉に当たるものは未収入金と言います。
未収金とも呼ばれていますが、日商簿記では未収入金が標準科目になっているようですね。
未払金は商品以外のものを購入した時に発生する債務になりますが、未収入金は商品以外のものを売却した時に発生する債権になります。
備品や車・土地などを売却し、後日代金を受け取る権利を得た時に使う科目ですね。
未収入金についてはこちらで解説をしています。
未払金が負債なのはなぜ?
未払金は資産・負債・収益・費用・純資産という簿記の5要素の中でいうと負債にあたります。
ではなぜ、未払金が負債にあたる勘定科目なのでしょうか?
そもそも負債は借金などをした時のマイナスの資産であり、代金などを後日返済する義務があるものを言います。
未払金も商品以外のものを購入して、代金を後日支払う時に使う科目です。
ですので返済義務がある未払金は負債になります。
未払金と長期未払金がある
ちなみに負債の中にも1年以内に支払期限がくるものを「流動負債」と言い、支払期限が1年以上のものを固定負債と言います。
そして未払金は支払期限が1年以内のものを言いますので流動負債になります。
また、支払期限が1年以上のものは未払金は「長期未払金」と言います。
支払期限が1年以内のものは未払金、1年以上のものは長期未払金です。
単に「未払金」とあったら支払期限が1年以内のものなんだなと思っておけばいいでしょう。
買掛金と未払金を分ける理由は?
買掛金は販売する商品等を掛けで仕入れた際に使う勘定科目です。
一方、未払金は仕入れ以外で後払いで購入した時に使う科目でしたよね。
買掛金と未払金は同じ負債にあたるものですが、なぜ分ける必要があるのでしょうか?
原価をしっかり把握する
分けなくてはいけない理由はいくつかあるようですが、ここでは最も基本的な理由をご紹介します。
例えば、商品原価を把握したい時ですね。
例として雑貨屋さんがマグカップを掛けで200円で仕入れたとします。
店員さんは原価である200円にたいして利益を計算して販売価格を決めますよね?
そして、この仕入れた商品は買掛金になります。
ですので、買掛金をしっかり把握することはお店を経営していく中でとても重要な事となります。
買掛金の中に営業外の取引である未払金が入っていたらきちんと仕入れ原価が把握できなくなってしまいますよね。
営業活動で発生したものか営業活動以外で発生したものかをきちんと区別することで仕入れた商品の原価をしっかり把握することができます。
そういった理由で買掛金と未払金はきちんと分ける必要があります。
負債項目の詳細を把握する
また、経営状態があまり良くない際に、貸借対照表の負債項目をチェックしたとします。
その際に流動負債が多いことがわかったとします。
その時に仕入れた商品である買掛金が問題であるのか、仕入れ以外のものを購入したことが原因なのかによって対策をする方法が全く違ってきますよね?
ですので、買掛金と未払金を分けることは負債の状況をすぐに把握するためにも必要なことになるのです。
「簿記の未払金とは何かをわかりやすく説明!負債なのはなぜなの?」のまとめ

簿記の世界で言う、未払金とは商品以外のものを購入して代金を後払いにした時に使う勘定科目です。
未払金は代金を後日返済する義務があるものですので負債になります。
仕入れ商品を掛けで購入した時に使用する買掛金科目とはきちんと分けて仕訳をするようにしましょう!
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