簿記

立替金の意味をわかりやすく解説!資産なのはなぜ?【簿記初心者向け】

今回は簿記の勘定科目の中の一つである「立替金」のお話です。

お金を立て替えると書いて立替金と読みますが、簿記においてもそのままの意味なのでしょうか?

初心者の方にもわかりやすく立替金の基本的な意味を説明をします。

また、立替金がなぜ資産なのかという疑問を持っている方もいらっしゃるようでしたのでこちらのお話もさせていただきます。




Contents

簿記の勘定科目【立替金】とは何?意味をわかりやすく説明

それでは立替金とは何かを解説していきます。

まずはじめに立替金の意味・定義について解説していきます。

また、英語での読み方や類義語・反対語についても調べてみました。

一緒に見ていきましょう!

立替金の意味・定義

まずは読み方は【たてかえきん】と読みます。

そのまんまですね(笑)。

立替金はお金を一時的に立て替えた時に使う勘定科目です。

英語では【Advances paid】と言うようですね。

立替金の使い方

一時的にお金を立て替えるという意味の立替金。

どんな時に使うのでしょうか?

会社やお店は従業員や取引先にたいしてお金を立て替えることがあります。

例を見ていきましょう!

立替金の使い方1:従業員の給与を前借しした時

例えば、従業員の前借りです。

会社は従業員に給料日前に給与の一部を払うことがあります。

私も実際に一度見てしまったことがあるんですよね。

従業員が前借りのお願いをしているところを…。

そんな時、会社は支払ったお金を立替金科目でいったん処理をします。

 

例題1)従業員Mさんに給与の前払いとして現金を30,000円分支払った。

この時の仕訳は

借方 金額 貸方 金額
    現金 30,000

まず、現金30,000を従業員に支払うので現金を減少させます。

よって、貸方(右側)に現金30,000と記入。

借方 金額 貸方 金額
立替金 30,000 現金 30,000

そして、立替金は資産になりますので、資産を増加させます。

ですので、借方(左側)に立替金30,000円と記入します。

立替金の使い方2:取引先負担の費用を立て替えた時




例えば、A社がB社に商品を売り上げて、その商品を発送するとします。

その時の発送費用に注目です。

もし、A社が費用を負担するのであれば、A社は発送費用を発送費として計上しますよね。

例題2)A社はB社に商品60,000円分を掛けで売上げました。

その際、商品を発送する費用はA社が負担することになった。

A社は発送費1,000円を現金で支払いました。

その際のA社の仕訳は

借方 金額 貸方 金額
売掛金 60,000 売上 60,000
発送費 1,000 現金 1,000

こうなりますよね?

でも、もしB社が発送費を負担することになっている場合は発送する際の送料をA社が立て替えることもあります。

その時にA社はその発送費を立替金として計上するのです。

例題3)A社はB社に商品60,000円分を掛けで売上げました。

発送の際、A社はB社負担の発送費1,000円をいったん現金で支払った。

この時のA社の仕訳は

借方 金額 貸方 金額
売掛金 60,000 売上 60,000
立替金 1,000 現金 1,000

となるわけですね。

商品を販売する時に発送費などの費用が発生することがあります。

そのような売上げに付随する、必要な費用を売上諸掛りと言います。

売上げ諸掛は売上げた側から見ると

・売上げた方が負担する場合は発送費などの科目を使って処理
・購入した方が負担をする場合で、いったん販売者側が立て替えた場合は立替金を使って処理

という形になります。

売上諸掛りの仕訳例はこちらで解説しています。

>>運賃は売上げに含める?売上諸掛の仕訳や計上の仕方を解説します!

 

ちなみに仕入れをした時にかかる発送費などの諸費用を仕入諸掛りと言います。

仕入れ諸掛りは仕入れた側から見ると

・仕入れた方が負担する場合は仕入れ原価に含めて仕訳計上する
・売上げた側が負担をする場合でいったん仕入れた側が立て替えた場合は立替金を使って処理

となります。

※仕入れた側が売上げた側の送料をいったん立て替えるというケースはあまりないかもしれませんが、こういったケースもあります。

 

立替金が資産なのはなぜなの?

立替金は資産・負債・収益・費用・純資産の簿記の5要素のなかでは資産のグループにあたります。

ではなぜ立替金は資産になるのでしょうか?

まず、資産は会社が持っている財産です。

その中には債権も含まれます。

債権とはお金などを受け取ることができる権利のことを言いますよね。

立替金は従業員や取引先にお金を立て替えて、後日そのお金を返してもらいますよね。

と言うことはお金を受け取る権利を持っているということになります。

ですので、後日お金を受け取ることのできる権利を持つことを意味する立替金は資産になります。

お金をいったん渡すので費用や負債と考えてしまう方もいらっしゃるようです。

ですが、上記の内容を理解することで立替金が資産だということがおわかりいただけたでしょう。

 

「【簿記初心者向け】立替金の意味をわかりやすく解説!資産なのはなぜなの?」のまとめ

いかがだったでしょうか?

今回は簿記初心者向けに立替金の意味を解説しました。

立替金は従業員や取引先などに一時的にお金を立て替えた時に使う勘定科目です。

また、立替金は支払った後、後日そのお金を返してもらえる権利(債権)を持っているため、資産になります。

基本的な内容が理解できたら、仕訳の練習をして慣れていきましょうね。

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