今回は簿記の勘定科目の一つ『当座預金』についてのお話です。
当座預金は普通預金科目などと同じく資産の科目になりますよね。
一勘定制で仕訳を行い、残高がマイナスになった時は負債の科目に振替えます。
では詳細を見ていきましょう!
Contents
【簿記】当座預金は資産のグループ
当座預金は:
・当座預金…会社が開設した当座預金口座で小切手や手形を使って預金を引き出す業務用の口座
です。
当座預金についての詳細は別記事にありますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
>>【簿記】当座預金とは?意味や特徴をわかりやすくお話しします!
そして、当座預金は資産・負債・純資産・収益・費用の中で資産のグループになります。

資産は財産のことを言い、当座預金も立派な財産になります。
基本的に預金は残高を超えて引き出しをすることができません。
ただし、会社は当座預金残高を超えた金額の引き出しがあっても、一定額まで銀行が立て替えてくれる契約を結ぶことができます。
その立て替えてくれた部分を当座借越と言います。
当座預金がマイナスになった時の仕訳方法
当座借越の仕訳には2つの処理の方法があります。
その2つの方法は一勘定制と二勘定制と読ばれているものです。
では例題を見ていきましょう。
例題)買掛金78,000円の支払いを小切手を振り出して支払いました。
当座預金口座の残高は50,000円で、銀行とは当座借越契約(限度額30,000円)を結んでいます。
今回は二勘定制のやり方から始めていきます。
二勘定制は当座預金科目と当座預金科目の2つを使って仕訳をします。
まず、当座預金口座にある残高50,000円をすべて支払います。
そして、残りの28,000円は当座借越科目を使います。
【二勘定制出の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 78,000 | 当座預金 | 50,000 |
当座借越 | 28,000 |
以上が二勘定制を使った当座借越の仕訳になります。
ただ、日商簿記3級の試験では令和元年から二勘定制が出題範囲から除外され、一勘定制のみの取扱いになりました。
とういうことで今度は一勘定制で仕訳をしてみましょう。
一勘定制は当座預金科目のみを使って仕訳をします。
今回も先程の例題で仕訳をします。
一勘定制の場合、当座預金口座に残っている50,000円も残高を超えた部分である当座借越28,000円もすべて当座預金で処理をします。
【一勘定制の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 78,000 | 当座預金 | 78,000 |
以上が一勘定制を使った仕訳になります。
決算時に負債科目に振替えよう
決算の時点でまだ、当座預金がマイナス(貸方残高)になっていた場合、マイナス分を負債科目に振り替える決算整理仕訳をします。
先程の例ですと、マイナス残高は28,000円でしたね。
このマイナス残高28,000円を当座借越か借入金のどちらかに振替仕訳をします。
今回は当座借越科目を使って決算整理仕訳をしてみましょう。
【当座借越の決算整理仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 | 28,000 | 当座借越 | 28,000 |
さらに翌期の期首に再振替仕訳をします。
当座借越科目を使った決算整理仕訳は一時的な処理になるので、翌期の期首に取り消す必要があります。
【翌期の再振替仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座借越 | 28,000 | 当座預金 | 28,000 |
「【簿記】当座預金は資産!貸方残高で決算を迎えた時の負債勘定への振替え方は?」のまとめ

当座預金は資産の勘定科目です。
銀行と当座借越契約を結ぶと当座預金残高がマイナスになっても限度額まで引き出しができます。
日商簿記では令和元年より当座借越の仕訳は一勘定制のみとなりました。
当座借越は決算時に負債科目である当座借越か借入金科目を使って振替仕訳をします。
さらに翌期の期首に再振替仕訳をしましょう!
