簿記

運賃は売上げに含める?売上諸掛りの仕訳や計上の仕方を解説します!

売上げた商品を販売先に発送することってありますよね。

今回はその際に発生する運賃についてのお話です。

商品を販売する時に付随する発送費用を仕訳する際、運賃売上げに含めるのでしょうか?

その答えと仕訳計上方法を解説します!




Contents

運賃は売上げに含めるの?

商品を売買した際、商品代以外にかかる費用のこと諸掛り(しょがかり)と言います。

そして商品を売上げた時にかかる諸費用を売上諸掛りと言います。

逆に仕入れた時の諸掛は仕入諸掛りと言います。

今回は売上諸掛の話になりますよね。

売上諸掛り、つまり商品を売上げた時にかかる運賃などの諸費用は売上げに含めずに計上します。

それでは売上諸掛りの具体的な仕訳や計上の仕方を見ていきましょう。

 

売上諸掛りの仕訳・計上方法

売上諸掛りの仕訳は2つのパターンがあります。

それはかかった費用が自分負担のものなのか、相手負担なのかによって計上の仕方が違ってくるのです。

それでは2つのパターンを仕訳例を交えてお話していきます。

仕訳・計上1:自社負担

まず、売上げに付随する運賃などの費用が自分の負担だった時のケースです。

先ほど売上諸掛は売上げに含めずに計上するとお話ししました。

商品を売上げた際にかかる自分負担の運賃を計上する際は次のように処理をします。

仕訳例を見ていきましょう。

仕訳例1)千葉商店は商品60,000円分を売上げて代金は掛けとした。

なお、商品発送にかかる運賃は千葉商店自身が負担することになっていたので送料1,000円を現金で支払いました。

この時の仕訳をしていきます。

まず、商品を売上げた分の仕訳をします。

商品を掛けで仕入れたので、資産の勘定科目である売掛金が増加し、収益の勘定科目である売上が増加します。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 60,000 売上 60,000

次に運賃の計上をします。

運賃を現金で支払ったとありますので、費用(発送費)が増加して、資産(現金)が減少したことになります。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 60,000 売上 60,000
発送費 1,000 現金 1,000

以上で仕訳が完了しました!

自分負担の売上諸掛りは売上げとは別に発送費など科目を使って費用計上するようにしましょう。

仕訳・計上2:他社負担




次に売上諸掛りが他社負担、つまり相手持ちだった場合どのように仕訳をするかを解説をします。

それでは計上方法を一緒に見てきましょう。

 

仕訳例2)埼玉商店は商品110,000円分を掛けで販売しました。

商品を発送する際の運賃1,500円は相手負担でしたが、現金で立て替え払いをしました。

この時の仕訳をしていきましょう。

まず、先ほどと同じように商品を売上げた分の仕訳をしていきましょう。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 110,000 売上 110,000

売掛金(資産)が増加し、売上(収益)も増加しました。

次に運賃を立て替えた分の仕訳をします。

今回は立替金科目を使って仕訳をしていきます。

相手負担の運賃1,500円をいったん立て替えて、現金で支払ったので

借方 金額 貸方 金額
売掛金 110,000 売上 110,000
立替金 1,500円 現金 1,500円

となります。

後日立て替えた運賃が普通預金に入金された時は

借方 金額 貸方 金額
普通預金 1,500円 立替金 1,500円

とします。

ちなみに立替金を使わず売掛金に含めてしまうやり方もあります。

その際は

借方 金額 貸方 金額
売掛金 111,500円 売上 110,000
    現金 1,500円

となります。

売上げに付随する運賃などの費用(売上諸掛り)は

・自社負担の場合は売上げに含めずに別に費用計上する
・相手負担でいったん運賃を立て替えた場合は立替金勘定を使う

という形になります。

「運賃は売上げに含める?仕入れ諸掛の仕訳や計上の仕方を解説します!」のまとめ

今回は商品を売上げた時にかかる運賃などの付随費用の仕訳方法のお話をしました。

商品を売上げた時にかかる運賃や送料などの費用は売上げに含めずに計上しましょう。

運賃が自分負担であれば配送費として費用計上し、相手負担であれば立替金や売掛金を使って処理をしましょう。

ただし、商品を仕入れた時にかかった運賃を仕訳する際にはまた違った計上方法になりますので気になる方はこちらをチェックしてみてくださいね!

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