簿記

売掛金と買掛金の相殺について解説!仕訳の仕方を事例を交えて紹介!

売掛金と買掛金の相殺仕訳について解説

一つの取引先に売掛金と買掛金の両方がある場合があります。

つまり同じ取引先から掛けで商品を販売したり購入したりしているケースです。

そういった場合に売掛金と買掛金を相殺して決済することができます。

ではどのように仕訳をすればいいのでしょうか?

今回は売掛金買掛金相殺についてのお話しと仕訳の方法を事例を交えてご紹介します。




売掛金と買掛金の相殺とは?

「売掛金と買掛金を相殺する」とは売掛金と買掛金のダブっている部分を差し引きして帳消しにすることです。

例えば、A社はB社に商品を掛けで200円販売したとします。

そしてA社はB社の商品を掛けで150円分仕入れました。

この場合、A社はB社から後日200円受け取り、150円支払うことになります。

ただこのやり取りを売掛金と買掛金の相殺処理をすることにより省略することができます。

買掛金150円と売掛金150円分を帳消しにすれば、残りの50円のみ回収すればよいことになります。

これが売掛金と買掛金の相殺です。

売掛金と買掛金の相殺についての説明図

売掛金と買掛金を相殺することのメリットとして都度やり取りをする必要がないので、お金を移動する手間を省くことができます。

ただし、相殺できるのは同じ取引先に債権と債務がある場合です。

そして相殺処理をする場合、基本的には事前にA社・B社お互いの合意が必要になります。

 

売掛金と買掛金を相殺する仕訳を解説




それでは先程のA社とB社のやり取りを例に仕訳をしてみましょう。

A社はB社にたいして売掛金200円、買掛金150円があります。

この売掛金と買掛金を相殺し、売掛金の残額は現金で回収しました。

この時の仕訳をしていきます。

 

売掛金と買掛金の状況を整理

まず相殺仕訳をする前の状況を確認しておきます。

A社はB社に商品を掛けで200円販売しています。

売掛金は資産なので増加した時には左側(借方)に記入します。

売掛金は資産の勘定科目

商品を販売したので右側(貸方)は売上(収益)です。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 200 売上 200

 

次にA社はB社の商品を掛けで150円分仕入れています。

買掛金は負債なので増加した時は右側(貸方)に記入します。

買掛金は負債の勘定科目

商品を仕入れたので左側(借方)は仕入(費用)です。

借方 金額 貸方 金額
仕入 150 買掛金 150

 

売掛金と買掛金を相殺

そしてここから相殺仕訳をしてきます。

現在のA社のB社に対しての取引の状況を仕訳にすると:

借方 金額 貸方 金額
売掛金 200 売上 200
借方 金額 貸方 金額
仕入 150 買掛金 150

となりますよね。

上記の取引から売掛金と買掛金の相殺をしていきます。

売掛金と買掛金がダブっている金額は150円です。

その分を相殺していきます。

買掛金を減少させる時は左側(借方)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 150    

そして売掛金を減少させる時は右側(貸方)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 150 売掛金 150

売掛金の残額は現金で回収しました。

現金で回収した分の売掛金は50円(売掛金200円-買掛金150円)です。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 150 売掛金 150
現金 50 売掛金 50

売掛金をまとめたら完成です。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 150 売掛金 200
現金 50    

左右の金額が一致しました。

※今回はわかりやすいように説明をしましたが、慣れてきたら最初からまとめて売掛金200と記入した方が早く問題を解くことができます。

 

売掛金と買掛金を相殺する仕訳問題

それでは売掛金と買掛金の相殺処理に関しての仕訳問題をやってみましょう。

例題1)本日、大阪商店に対する買掛金30,000円と売掛金80,000円の決済日につき、大阪商店の承諾を得て両者を相殺処理するとともに売掛金の超過分は大阪商店振出しの小切手で回収した。

この時の仕訳をしてみましょう。

 

 

答え

借方 金額 貸方 金額
買掛金 30,000 売掛金 80,000
現金 50,000    

 

解説
買掛金と売掛金を相殺し売掛金の残額を小切手で回収した時の仕訳です。

大阪商店に対する買掛金を減少させます。

買掛金は負債の勘定科目ですので、減少させる時は左側(借方)に記入します。

買掛金30,000/

次に売掛金を減少させます。

売掛金は資産ですので減少させる時は右側(貸方)に記入します。

買掛金30,000/売掛金80,000

残額は小切手で受け取ったとあります。

得意先が振出した小切手を受け取った場合は現金を増加させます。

金額は50,000円(売掛金80,000円-買掛金30,000円)ですよね。

買掛金30,000/売掛金80,000
現金50,000/

問題の文章が難しく感じる場合は:

・大阪商店にたいして買掛金が30,000円ある
・売掛金も80,000円ある
・買掛金と売掛金を相殺する
・売掛金の残額は小切手で受け取る

など、問題文を細かく分解すると理解しやすいです。

 

例題2)本日、神戸商店に対する買掛金170,000円と売掛金12,000円の決済日につき、神戸商店の承諾を得て両者を相殺処理するとともに買掛金の超過分は小切手を振り出して支払った。

 

 

答え

借方 金額 貸方 金額
買掛金 170,000 売掛金 120,000
    当座預金 50,000

 

解説
買掛金と売掛金を相殺し、残った買掛金に関しては小切手を振り出して支払った時の仕訳問題です。

神戸商店に対する買掛金170,000円を減少させます。

買掛金170,000/

売掛金120,000円も減少させます。

買掛金170,000/売掛金120,000

残額は小切手を振り出して支払ったとあります。

小切手を振り出した時は当座預金(資産)を減少させます。

金額は50,000円(買掛金170,000-売掛金120,000円)です。

買掛金170,000/売掛金120,000
       /当座預金50,000

 

「売掛金と買掛金の相殺について!仕訳の仕方を事例を交えて紹介!」のまとめ

今回は売掛金と買掛金の相殺仕訳についてお話ししました。

同じ取引先にたいして売掛金と買掛金がある場合、事前に合意を得たうえで両者を相殺して決済することができます。

上記で解説した相殺仕訳を参考にしてみてくださいね。

売掛金と買掛金の相殺仕訳は過去に日商簿記3級の問題にも出題されたことがあります。

仕訳自体は難しいものではないので、しっかり理解して解けるようにしておきましょう!