簿記

【簿記】売掛金が回収不能になったら?取引先が倒産した時の仕訳を解説!

掛けで売上げた商品代金が取引先の倒産などで受取れなくなってしまうことがあります。

「夜逃げなどで売上代金を回収できなくなった」なんて話を聞いたことがあるのではないでしょうか?

そんなことになった場合、どのように仕訳処理をすればいいのでしょうか?

今回は売掛金回収不能になった場合に簿記ではどのように仕訳をするのかお話しします。




【簿記】売掛金が回収不能になった時の仕訳方法

さっそく、得意先の倒産などで売掛金が回収不能になった時の仕訳をしていきます。

未回収の売掛金が回収不能になった場合は貸し倒れの仕訳処理をします。

貸し倒れの仕訳は翌期の貸し倒れに備えて貸倒引当金を計上しているかいないかで処理の仕方が変わってきます。

まずは貸倒引当金を計上していないパターンからです。

例題と一緒に見ていきましょう!

 

売掛金が回収不能になった時の仕訳:貸倒損失

仕訳例1)当期に発生した売掛金1,200円が貸し倒れた。

 

取引先の倒産などにより売掛金が回収不能になった場合、売掛金の額を消去する仕訳をします。

売掛金は資産の勘定科目なので、減少させる時は右側(貸方)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
    売掛金 1,200

そして貸し倒れた金額を計上しなければいけません。

回収不能になった際には「貸倒損失」という費用の勘定科目を使います。

貸倒損失は費用の勘定科目

 

借方 金額 貸方 金額
貸倒損失 1,200 売掛金 1,200
 

取引先の倒産などにより売掛金が回収不能になった際は売掛金を減らして貸倒損失を計上しましょう。

 

売掛金が回収不能になった時の仕訳:貸倒引当金

次に貸倒引当金が計上してある場合の仕訳です。

将来の貸し倒れに備えて、あらかじめ損失するかもしれない金額を見積もって計上した引当金を貸倒引当金と言います。

仕訳例2)前期に発生した売掛金1,200円が貸し倒れた。貸倒引当金の残高は1,200円である。

 

例題1と同様に売掛金を減少させます。

借方 金額 貸方 金額
    売掛金 1,200

前期までに発生した売掛金が貸し倒れた場合には前期末に計上した貸倒引当金を取り崩す仕訳をします。

貸倒引当金は資産のマイナスを意味し、仕訳の時のホームポジションは負債(右側)です。

貸倒引当金は資産のマイナス(負債)

ですので、減らす時には左側(借方)に記入します。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 1,200 売掛金 1,200

以上で貸倒引当金の残高がある場合の仕訳は完成です。

貸倒引当金が不足した場合は不足分を貸倒損失で処理しましょう。

※貸倒引当金の仕訳処理をする際の注意点

貸し倒れが発生した場合にその貸し倒れが前期までに発生したものなら貸倒引当金を取り崩して処理をします。

しかし、当期に貸し倒れが発生した場合はたとえ貸倒引当金の残高が残っていたとしても
貸倒損失で処理をします。

貸倒引当金は前期末の売掛金などにたいして設定されたものです。

当期の売掛金にたいしての貸倒引当金の設定は当期末の決算で行うのでまだ貸倒引当金の設定がされていません。

ですので、当期に貸し倒れが発生した場合は貸倒損失で処理をしましょう。

図にまとめると:

ケース 仕訳
前期取得分の売掛金が貸し倒れた場合 前期の貸倒引当金あり 貸倒引当金/売掛金
貸倒引当金がない 貸倒損失/売掛金
当期取得した売掛金が貸し倒れた場合 前期の貸倒引当金あり 貸倒損失/売掛金
貸倒引当金がない 貸倒損失/売掛金

※前期取得分の売掛金が貸し倒れて、さらに取り崩した貸倒引当金が足りない場合は不足分を貸倒損失で計上します。

 

売掛金が回収不能になった時の仕訳問題




それでは売掛金が回収不能になった時の仕訳問題を解いていきましょう。

例題1)取引先であるA社が倒産し、前期に販売した商品73,000円の売掛金が回収できなくなった。

前期末に貸倒引当金は計上していない。

この時の仕訳は?

 

 

答え

借方 金額 貸方 金額
貸倒損失 73,000 売掛金 73,000

 

解説
前期末に貸倒引当金は計上していないとありますので、今回の問題では貸倒引当金は使えません。

ですので貸倒損失を使います。

貸倒損失は費用のグループに属する勘定科目ですので、増加した場合には左側(借方)に記入します。

貸倒損失73,000/

商品代金を回収できなくなってしまったので売掛金を減らします。

売掛金は資産の勘定科目ですので、減少させる時は右側(貸方)に記入します。

貸倒損失73,000円/売掛金73,000

※仕訳例1では先に売掛金を減らしてから貸倒損失を計上しました。

順番はどちらでも良いのでやりやすい方から仕訳をしましょう。

 

例題2)取引先B社が倒産し、前期の売掛金82,000円が貸し倒れた。

なお、貸倒引当金の残高は36,000円である。

 

 

答え

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 36,000 売掛金 82,000
貸倒損失 46,000    

 

解説
貸し倒れた分の売掛金を減少させます。

/売掛金82,000

貸倒引当金の残高が36,000円あるので、その分を取り崩します。

貸倒引当金を取り崩す時は左側(借方)に記入します。

貸倒引当金36,000/売掛金82,000

貸倒引当金を取り崩しても足りない場合、足りない分は貸倒損失で計上します。

金額は売掛金と貸倒引当金の差額である46,000円(82,000円-36,000円)です。

貸倒引当金36,000/売掛金82,000
貸倒損失 46,000/

例題3)取引先の倒産により、当期発生した売掛金52,000円が貸し倒れた。

なお、貸倒引当金の残高は12,000円である。

 

 

答え

借方 金額 貸方 金額
貸倒損失 52,000 売掛金 52,000

 

解説
貸倒引当金の残高が残っていますが、当期発生した売掛金が貸し倒れたので使えません。

そのため、貸倒損失を使います。

貸倒損失52,000/

売掛金を減らす仕訳をします。

貸倒損失52,000/売掛金52,000

※貸し倒れた売掛金が当期に発生したものなのか前期までに発生したものなのか確認するようにしましょう!

 

「【簿記】売掛金が回収不能になったら!取引先が倒産した時の仕訳を解説!」のまとめ

取引先の倒産などによって売掛金の回収ができなくなった場合に簿記ではどのように仕訳処理をするのかお話ししてきました。

売掛金が回収不能になった場合、貸倒損失を使って損失額を計上しましょう。

前期取得分の売掛金が貸し倒れた場合で、前期の売掛金にたいする貸倒引当金の計上がある場合は貸倒引当金を取り崩します。

ただし、貸倒引当金は当期発生した売掛金が貸し倒れた場合には使えません。

当期発生した売掛金が貸し倒れた場合は貸倒損失を使って仕訳しましょう!